『「中国新聞カープ検定」公式テキスト』(「中国新聞カープ検定」作問委員会/あさ出版)

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 スポーツは、選手やチームを「知る」ほどに面白くなる。国民的スポーツでもあるプロ野球。なかでも広島東洋カープは、「カープ女子」が話題を呼んだように、首都圏など広島とその近郊以外でも人気がブレイクしている。野球の面白さに引き込まれたファンも少なからずいるようだが、1949年に創設したカープは歴史も面白さも奥深い。もっと楽しむため、「にわか」と言われないため(!?)、チームや選手を「知る」のに、うってつけの本がある。

『「中国新聞カープ検定」公式テキスト』(「中国新聞カープ検定」作問委員会/あさ出版)は、その名のとおり、カープ検定の教本だ。カープ検定とは、2016年から始まった球団公認の検定。カープを知ることのできる縦横無尽なネタが問題になっていて、ウェブで気軽に受験できる3級から、会場で受験する2級と1級がある。同書は、その問題と解答に解説が加えられたもので、試験では実際にここから出題される問題もあるという。

 試験、問題、教本と聞くと、構えてしまうかもしれないが、同書はファンなら垂涎もののカープネタがぎゅっと詰まったエンタメ本としても純粋に楽しめる。問題は、近年の活躍ぶり、それまでの低迷期、選手のエピソード、広島の街との歴史、カープ黄金期や黎明期、とわかりやすく章立てされている。いずれも問題として並んでいるので、一つ一つが短くて読みやすく、興味のあるところをパラパラめくりながら読むこともできる。

 長年にわたって記録されたり、話題になってきたりしたネタの厳選だけあって、誰かに話したくなるもの、マニアックすぎるものなど、ファンなら仰け反りながら楽しめるものばかり。問題をいくつか紹介したい。

Q20
カープ投手陣の「カピバラ3兄弟」と言えば、今村猛、大瀬 良大地、一岡竜司のことを指すが、3人の背番号を合計した数は?

(1)30 (2)50 (3)60 (4)58

 答えは、(3)60。3選手ともカピバラに似ているため、そう呼ばれるようになったことは有名。ファンなら背番号を覚えて然りだが、そうでない人も背番号を覚えればすぐに見分けがつくようになるかも!?

Q133

若手時代の川口和久が、達川光男のサインを気に入らず全部の球種に首を振ったことがあった。この時とった二人の対策は?

(1)ベンチにサインを出してもらう
(2)川口がサインを出す
(3)ノーサインで投げる
(4)直球とカーブを交互に投げる

 答えは、驚きの(3)。1980年代にカープの正捕手として活躍した達川氏いわく、ピッチャーの川口氏が「100回」くらいサインに首を振ったので、好きに投げさせたという。当たっていないのに死球をアピールするなど、トリッキーなプレーで伝説にもなっている達川氏だが、その捕球技術に川口氏も敬服したという逸話だ。

 現在は福岡ソフトバンクホークスのヘッドコーチでもある達川氏。カープ現役時代に語り草になった伝説は数知れず、他にもユニークな逸話が収録されている。

Q9

新井貴浩が2000本安打を放った、2016年4月26日ヤクルト戦でチームとして11年ぶりの3連発を放ったのは?

(1)ブラッド・エルドレッド、鈴木誠也、堂林翔太
(2)丸佳浩、新井貴浩、ブラッド・エルドレッド
(3)ブラッド・エルドレッド、堂林翔太、下水流昂
(4)菊池涼介、丸佳浩、ブラッド・エルドレッド

 答えは、(1)。野球の華でもあるホームランが飛び出せば、忘れられない瞬間になるが、それが3発も続いたのだ。しかも、新井のマイルストーンとなった2000本安打の日だったとなれば、こんなにセンセーショナルで記念すべき瞬間はない。ファンなら記憶に刻み込んでおきたいポイントだろう。

 いずれも、マニアックな問題ばかりだが、老若男女が楽しめて、ファンにはたまらない問題(話題)が満載だ。問題形式だけに覚えやすい。この本で楽しく“試験勉強”に励み、より多くのネタをインプットすれば、より多くのカープ仲間と盛り上がることは間違いない。

文=松山ようこ