あんにゅと小幡康裕による音楽ユニットのコアラモード.が25日に、通算5枚目となるシングル「大旋風」をリリースする。今年は1stアルバム『COALAMODE.』のリリース、ユニット最多となる8本のツアー『THIS IS COALAMODE.!!2017 〜春らんらんツアー〜』を経てリリースされた意欲作。アルバムが完成した時に、次に作らなければいけない楽曲が見えたと語る2人。自身のルーツに戻るかのようなアッパーなロックチューンで、今までのコアラモード.としても殻を破った作品。あんにゅはこの楽曲について「自分たちのもう一皮剥けたい気持ちとか、もっと先を見てみたいという想いが込められている」と語る。小幡は「ちゃんと聴いていただいたら、今までのコアラモード.の部分も沢山感じていただける」と違和感なく自然にできた曲であると言う。改めてツアーの思い出や、今作の制作過程など2人に話を聞いた。

ライブってこんなに楽しいんだ

あんにゅ

――初の全国ツアー『THIS IS COALAMODE.!!2017 〜春らんらんツアー〜』はいかがでしたか。

小幡康裕 同じメンバーで合計8本を回ったというのが今まで経験がなくて。それこそ、インディーズの時からずっとお世話になっているメンバーの方たち、ギターの後藤秀人さん、ベースの三浦ジャイ剛さん、ドラムの橋谷田真さんというメンバーもデビュー前からの繋がりなんですけど、ライブの回数を重ねるとこういう演奏をしてくれるんだなって。

 回数を重ねることでグルーヴ感の向上だったり、音同士の調和だったり、そういうものがより高まっていって。最後の横浜関内ホールでは、みんな、ただただ楽しんで演奏出来ていたという、そんな手応えもあって。あのツアーを通しての最大の感想は、ライブってこんなに楽しいんだということがわかりました。

――今までも楽しかったけど、また違った楽しさを得たような。

あんにゅ そうですね。段取りなど不安もありましたが、来てほしい所に演奏が来てくれる一体感が凄く感じられて。私がどんなになってもついて来てくれるんじゃないかって(笑)。その安心感が凄くありました。

――歌や演奏ももちろんなのですが、MCも楽しみの一つです。

あんにゅ デビュー前から見てくださった方が久し振りに、私たちのライブを見て「あんにゅそんなに喋れたんだね」と感想を頂いて。一対一になると、私そんなに喋るタイプじゃないのですが、あんな大勢の人達の前で、ひょうきんにやっている自分も不思議な感じです。実際ステージの方がのびのびしてます。

――また違う側面が見れる瞬間なわけですね。

あんにゅ 私もどうなるかステージに立つまで、何を言い出すか自分でもわからなくて(笑)。まさか小幡さんをいじるとは思っていないですし、きっとテンションの問題なんですよね。とっても楽しいです。

――新しい試みとして「ホップ ステップ ジャンプ」で、あんにゅさんはポンポンを持って踊りながらのパフォーマンスも。

あんにゅ そうですね。初めて踊りました! いやー難しかったです。動くのがあまり得意な方ではないので、凄く緊張していたのですが。あと、振付師さんが見に来て下さったりすると、余計緊張して間違えたり。あと、踊りながら歌ったらマイクに顎がぶつかるんじゃないかとか(笑)。でも凄くたくさん練習をして楽しくファイナルは踊れました。

――小幡さんはいずれ踊らないんですか?

小幡康裕 僕は踊らないですね(笑)。いや、僕が踊ったら大変な事になります。人生で踊った記憶がほとんどないので。

――見てみたいですけど(笑)。打ち上げではバーベキューもやったんですよね。

あんにゅ そうなんです。打ち上げでキャンプをしようということになりまして、それはドラムサポートして下さっている橋谷田さんが、キャンプ好きでして。

小幡康裕 本当にキャンプが大好きな方で、ドラムを叩いているか、自然の中にいるか、というぐらい自然を愛している方で。打ち上げをどうしようかという話をしていた時だったので、「良ければ橋谷田さんプロデュースで、キャンプ打ち上げを是非やってみたいんですけど」とお話したら、橋谷田さんは「やっていいんですか!」とウェルカムな感じで(笑)。

――場所は何処に行かれたんですか。

小幡康裕 厚木の七沢森林公園にあるキャンプ場です。非常に良いところでした。

あんにゅ キャンプファイヤーをしながら楽器を持ってきて、好きに歌って。そのあと雨が降ってきて…。

小幡康裕 慌てて戻るんですけど。

あんにゅ 演奏も出来て途中までは良い感じに。私初めてキャンプしたんです。初体験で薪を割ったけど、薪が割れなくて。小幡さんも面白い姿勢で薪割りを…。見せたいです映像を(笑)。

――是非、今後の特典映像で(笑)。マルチプレイヤーの小幡康裕さんはどんな楽器を演奏したんですか。

小幡康裕 僕は、アコギを弾きました。鍵盤ハーモニカも一応持って行ったんですけど、この日は鍵盤じゃなくても良いかなと思いまして。皆さん色々楽器を持ってきていました。

あんにゅ 橋谷田さんがバイオリンを弾いてたり。

――その時歌ったのは、コアラモード.の曲?

あんにゅ 「流れ星」とかコアラモード.の曲も歌いました。あと荒井由実(松任谷由実)さんの「ベルベット・イースター」も歌ったり。本当に自由に楽しいキャンプでした。

そろそろ石橋を叩き壊しちゃうんじゃないかな(笑)

小幡康裕

――そんな中で、「大旋風」という勢いのあるナンバーが出来ました。この楽曲はいつ頃から制作された曲なのですか。

小幡康裕 ツアーを回ったあと、5月から6月にかけてなので、割と最近生まれた曲です。名刺代わりの1stアルバム『COALAMODE.』を2月にリリースして、僕らも改めてこの音楽性がコアラモード.なんだと再認識する機会にもなりました。その作品を受けて、みなさんの予想を上回っていきたいなという想いとともに、激しい獰猛なコアラモード.も見せたい、というビジョンが浮かんできまして。自分たちの中では「大旋風」というハードで疾走感のあるナンバーですけど、違和感なく出てきた曲なんです。

あんにゅ 不思議なんですけど、コアラモード.というグループを組んで曲を作っていたら、私たちってこういう曲の雰囲気が良いんじゃない? と自分たちでそういったカラーの曲をずっと作っていました。でも本来、各々で作ったときに、全てがそういう曲かどうかというと違いまして。ジャンルも問わず色んなものを作ってきたはずだから、それを思い切ってコアラモード.でも「やっちゃっていいんじゃないか」というのを、ようやく気付いたみたいな所があります。

小幡康裕 「自分たちが何やりたいの?」と問いたときに、もっと疾走感のあるロックな方向もやっていきたいなという思いがあったので、実際に作ってみたのが今回の「大旋風」です。

――元々お2人はロック畑じゃないですか。小幡さんはロックバンドでドラム、あんにゅさんもシャウトしていたと以前のインタビューで話していました。個人的には原点に戻ってきたシングルなのかな、と感じていまして。もう一曲の「ごらんください」はコアラモード.の王道カラーをブラッシュアップしたような。

あんにゅ 確かにそうですね。アルバム出して、こういうちょっと変化球も出していきたいなって。

――この曲はタイトル先行だったり?

小幡康裕 この曲はまずサビからです。

あんにゅ 頭の歌詞にもある「扇げ」が仮タイトルでした。

――これは共作になっていますが、たたき上げはどちらが?

あんにゅ 私が、最初にイントロのイメージとサビ、そこからAメロが出てきて、Bメロを小幡さんに委ねまして。

小幡康裕 結局、今まで通りの作り方したら、今までのコアラモード.っぽくなるというのもありまして。2人で制作するスペースに集まって、歌入れと同時に僕もアレンジをしながら進めていきました。サビとAメロの骨組みをあんにゅが作って、僕が色付けしていって、同時に完成形が出来上がっていくような作り方をしました。

――メロディーラインなど、どこか“和"のニュアンスありますよね。

小幡康裕 そうですね。和の要素は潜在的に意識しました。

あんにゅ Dメロの<右左 扇ぎ揺らせ>など、いつもと違う語句を入れたのは、ちょっと挑戦だったかもしれないです。

――あと、歌詞の<石橋叩いて 叩き壊して>というワードが面白いなと。

あんにゅ 本当にそんな人生だなって思いまして。コアラモード.のチームとしても慎重な所があって。でも、ずっとこうやっていたら次の段階にいけないんじゃないかなって。新しいものを作って、世の中に出していきたいという気持ちと、でも失敗するんじゃないかという怖さの両方が葛藤していて。「大旋風」というのは、自分たちのもう一皮剥けたい気持ちとか、もっと先を見てみたいという想いが込められているので。そろそろ石橋を叩き壊しちゃうんじゃないかな(笑)。

――自分たちの背中を押す部分も。

小幡康裕 出来上がってから思ったことでもあります。歌詞を改めて見て、今の自分たちがコアラモード.に対して思っていることでもあるんだなって。そこで自分たちが腑に落ちたからこそ、この曲が今後シングルの表題曲として、満を持して歌っていける気持ちになったというのもあります。カッコよく言うと宣戦布告みたいな。

 もちろん、この「大旋風」がガラッと変わったのは、自分たちでも重々承知なのですが、この曲は自分たちとしては違和感なく、今までと同じように出てきたんで。最初、テイストとしては皆さんびっくりするかもしれませんけど、ちゃんと聴いていただいたら、今までのコアラモード.の部分も沢山感じていただけるんじゃないかと。

――違和感はないです。お2人がやっていれば、コアラモード.なんだなと痛感させられた曲だと思います。

あんにゅ そう思わせてくれる曲になったなって思って。嬉しいです。

――今回バックミュージシャンはどのような方達にオファーされたのでしょうか。

小幡康裕 この曲に関しては、あえて自分が憧れていたミュージシャンの皆さんにお願いできたらなと。エンジニアさんも僕らにとって憧れの方で、プレイヤーとしてはギターはいつもライブでお世話になっている後藤さんで、ベースが山口寛雄さん、ドラムが佐野康夫さん、ストリングスは門脇大輔さんです。

 エンジニアさんを今井邦彦さんにお願いしました。レコーディング、ミックスともになんですけど、小林武史worksでずっとやっていらっしゃって、Mr.childrenさんにも2001年以降から携わっていらっしゃる。もう皆さんの想像に勝るプレイの中で、ミックスの時点で僕らが憧れてきた音が、そのままスピーカーから塊になって現れました。「あ、もうこれでお願いします」というモードになりまして。

あんにゅ 本当に何も言わず、完成されていました。

――憧れの人とお仕事できるのは良いですね。歌のレコーディングはどうでした?

あんにゅ 今井さんは憧れの方で、その方が録ってくださるマイクの音がいつもと違うんですよ。歌っている声が凄くもう、その時点でミックス後みたいな音がしました。凄くはっきり綺麗に聴こえて、その違和感と良い意味での感動にびっくりしました。声を発したら音が全然違ったので。

――歌も変わってきますよね。

あんにゅ そうですね。「このマイクなんですか」とすぐに聞いて。今井さんのマイクなんですけど。値段もつかないようなビンテージのレアなマイクだったみたいで。緊張のなか、歌ったんですけど今井さんも「こうやって歌ったら」「ここ地声でいっちゃえば」などアドバイスを下さったりして。

小幡康裕 僕らとは天と地ほどの現場を経験されてきた、クリエイティブなアドバイスをいただきながらのレコーディングでした。

――先ほど、いつもと歌う表情を変えたと話していましたが、アーティスト写真もまたカッコいいですね。

あんにゅ いつも笑顔の写真が多いんですけど、今回は真顔で(笑)。いつもよりメイクも強めにして頂いて、口紅も秋色で濃くしています。魔法が使えそうなアー写になりました。MVではかなり小幡さんが動いていたり、一人で全ての楽器を演奏したり。

――今回のMVは稼働率が高かったんですね。

小幡康裕 早いときは夕方ぐらいで「小幡さんお疲れさまでした」ということもあります(笑)。今回は沢山出させて頂いて。もう、錚々たるメンバーの演奏を再現しなければいけないので、大変でした。

あんにゅ 小幡フィーチャーなMVになりました。

コアラモード.のやりたいようにやった1枚

あんにゅ

――「ごらんください」は横浜の番組tvk『ハマナビ』のエンディングテーマです。

あんにゅ 横浜の観光地を紹介していく番組です。でも、この『ハマナビ』さんはインディーズシングルの「メモリーズ」から2015年度、16年度、17年度とずっと使って頂いていて。

小幡康裕 書き下ろさせて頂くのは初めてだね。

あんにゅ 今回書き下ろしで、じゃあこの番組を観ている人が楽しんでもらえる、ぴったりな曲を作ろうと思いまして。横浜をナビゲートする番組なので、「横浜ごらんください」というタイトルから私が作った曲です。

――横浜はお2人の地元なので、バッチリですね。歌詞にある<さんざん食べた後に甘いもの 食べたいなんてね>という部分は女性的です。

あんにゅ その部分はシンガーソングライターのお友達と一緒に横浜でデートをして、その時に思ったことを書きました。

――そのデートはどなたと?

あんにゅ シンガーソングライターの新山詩織ちゃんです。すごく大きなパフェを食べた後でも、「まだ食べるの?!」と言う感じで(笑)。私の事というより、詩織ちゃん側に立って客観的に書きました。あと、この曲は実際に自分が横浜を歩いているコースを再現しています。私は誰かと出かけると、必ず玄武門から出て大さん橋まで歩こうかなとなります。自分の実体験も練り込まれている曲です。

――歌詞にもありますけど、方向音痴なんですか?

あんにゅ 方向音痴は、右左わからなくなるときもありますね、中華街とか特に。これ中華街あるあるです(笑)。

――小幡さんは?

小幡康裕 僕はそうでもないですね。

あんにゅ でも小幡さん、下北沢で凄く迷うよね。建物から出たら、右か左か真逆の方行ってます。

小幡康裕 土地勘がないと、そういう時もあります(笑)。

――<“くじらのせなか”を染めてく>とありますが、このくじらは何を意味されているのですか?

あんにゅ 「くじらの背中」という観光スポットが大さん橋にあります。大さん橋ホールの近くにあるので、この曲を聴きながらライブに来るのが一番いいなって思います。この大さん橋に辿りつく描写は10月28日におこなう『We Are Coalamode.!!2017〜ソーレ♪ソレソレ秋祭り〜』を意識して書きました。

――ストーリーがあるんですね。この通りにライブにも来てくれたらという。

あんにゅ そうです。これ聴きながら来て下さったら本当に最高です。昼間はカフェに行って甘いもの食べて、くしゃみとかして笑われて(笑)。そして、方向音痴になってひたすら歩いて、中華街に行ってから大さん橋にいって、赤レンガ倉庫で踊って、シーバスに乗る約束をすれば…。

――ガイドブック的にこのプランに沿って(笑)。

あんにゅ 誰でも頑張れば行けるんじゃないかと。

――ただ<星空の下でShall we dance?>は出来きますかね(笑)。

小幡康裕 星空の下ですからね(笑)。照れ臭さもあるでしょうし。

あんにゅ でも、赤レンガ倉庫は平日に行くと、割と人も少なくて夜ならダンスが出来ちゃうくらいです(笑)。

――アレンジは王道のコアラモード.で。

小幡康裕 この曲はそうですね。

あんにゅ 今回からディレクションを自分たちでやっています。コアラモード.のやりたいようにやった1枚になりました。作り方自体は変わらないんですけど、気持ち的には、また新しいコアラモード.で間違いないかなと。

――最後に『We Are Coalamode.!!2017〜ソーレ♪ソレソレ秋祭り〜』に向けての意気込みをお願いします。

小幡康裕 ライブタイトルが『ソーレ♪ソレソレ秋祭り〜』という事で、前回のライブでこんなにライブって楽しいんだという感想が自分たちにとって衝撃的なぐらいあって。それを受けて、とにかく忘れられない、賑やかな一夜にしたいなという気持ちで今準備しています。

 「We Are Coalamode.4!! 〜ゆ〜かり音頭ver.〜」には、今回のライブをイメージした部分もあるので、ぜひみなさんでお祭り騒ぎしましょうとお伝えしたいです。この曲がワンマンライブ中にどのように演出されるか楽しみにして頂いて、僕らもこの曲をやるのが楽しみです。

あんにゅ 本当に前回のライブが私たちにとっても楽しいライブだったので、「こんな楽しいライブにできるんだ! 次はもっと」みたいな欲張りな私たちがいます。もっとサービス精神をもって、色々な企画をしている段階です。バンドでの久々の演奏も楽しみですし、よりお祭り感を出して、大人も子供も関係なく皆がワイワイできるイベントにしたいです。前回はダンスを踊っちゃったので、今回どうしようって(笑)。そこも楽しみにして欲しいです。踊りの次はどうなるのか楽しみにしてください。

【取材・撮影=村上順一】

小幡康裕 小幡康裕 あんにゅ あんにゅ

作品情報

コアラモード.5thシングル「大旋風」

10月25日リリース

■初回生産限定盤(DVD付)BVCL-838〜839 1500円(+税)
DVD(『大旋風』ミュージック・ビデオ)

■通常盤 BVCL-840 1000円(+税)

<収録曲>

M1.大旋風
M2.ごらんください(tvk『ハマナビ』2017年度エンディング・テーマ) 
M3.We Are Coalamode.4!! 〜ゆ〜かり音頭ver.〜