会場の様子

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 全国の繊維産地で活動する若手テキスタイルデザイナーを集めた展示会「NINOW(ニナウ)」が始動した。10月26日と27日の2日間、ミナ ペルホネン主催により代官山のクラブヒルサイドサロンで初めて開催。尾州、播州、桐生の3産地から、企業に属しながらデザイン性の高いオリジナル生地を企画し生産、そして現場で自ら織機を動かす6人の女性テキスタイルデザイナーが出展した。
 「ニナウ」の発起人は、愛知県・一宮にあるカナーレのオーナー足立に師事し、デザインや企画、ションヘル織機を動かしてオリジナルテキスタイルを制作する小島日和。高齢化が問題視される繊維産地だが、現在20代〜30代の若手が少しずつ入り活性化の動きがあるという。しかし、小島は「布や産地が好きで現場に入っても若手は数年は雑用がほとんどで、なかなか企画をやらせてもらえない。それが辛くて辞めてしまう悪循環がある」と話し、「若手が胸を張って発表できる場ができれば」という思いから「ニナウ」を立ち上げた。「ニナウ」には産地を「担う」と「今」という意味が込められている。
 ファーストシーズンは、川上由綺(桐生整染商事 / 1992年生まれ)、田畑知著(中外国島 / 1985年生まれ)、穐原真奈(大城戸織布 / 1987年生まれ)、小野圭耶(東播染工 / 1985年生まれ)、金才仙(小塚毛織・canale2 / 1990年生まれ)、そして小島(terihaeru・canale2・NINOW代表 / 1992年生まれ)の6人が出展。「自分たちが今見せたいもの」をテーマに自由に制作したオリジナル性に富んだテキスタイルが約30種類ずつ展示された。出展者からは「これまで物作りを行う現場の人間が外に出る機会はほとんどなかったが、直接プレゼンテーションできる機会ができて嬉しい」といった声が多くあがり、初日に開催された出展者によるトークショーは会場からあふれるほどの来場者が訪れた。また、展示会には若手デザイナーから海外で発表する大御所ブランド、大手アパレル企業までが来場し大盛況のうち終了した。
 主催者として協力した「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」のデザイナー皆川明は、「物を作る現場が残ることは大事なことだが、今はそれが残るかどうかの瀬戸際。こうやって物を作ろうと思ってくれている人たちが動きやすいように場を整えたいと思った」とし、「発注者が強いとかではなく、頼む側も作る側もお互いにもっとフェアに会話して物を作る環境がこれからできると思う」と繊維産地の未来に期待を寄せた。