そんなときインストラクターの喝が! 愛のムチをうけて記者も奮起

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「わずか20分の運動で700キロものカロリーが消費できる」――。そんな効果を謳ったエクササイズスタジオが都内に登場した。

 700kcal消費する運動とはどのようなものか? 階段をランニングで上がるのは、身体活動の強度を表す単位であるメッツでは15メッツとされている(参照:独立行政法人 国立健康・栄養研究所:『身体活動のメッツ(METs)表』)。

 消費カロリーはこのメッツに1.05と体重、そして運動時間をかけた数値になるので、仮に700kcal消費するとなれば65kgの男性で約40分ほど階段をランニングペースで駆け上がって到達する数値である。

 ちなみに、先述のメッツ表によれば、時速20.9kmでランニングした時(普通の人ならダッシュしてるくらいのペース)でさえ19.8メッツなので、700kcalに到達するためには約30分ほど必要となる。700kcalを20分で消費するとなると、約30メッツ近い強度が必要なのであるが、先述のメッツ表にはそのような運動は書かれていない。(※すべて65kgの男性としての数値)

 いくらなんでもあり得ないだろ……。

 果たしてその最新エクササイズとはいかなるものなのか? もともと痩せ型ではあるものの、20代も終わりに近づき下腹がぽっこり出てきたアラサー記者Iが、10月20日にオープンしたばかりのスタジオ「Evolv(エヴォルヴ)」を訪問。最新のEMSを活用したワークアウトを体験させてもらった。

◆ドイツが開発したボディースーツ

 EMSとは「Electric Muscle Stimulation」の略称で、電気刺激によって直接筋肉を動かすテクノロジー。ざっくり言ってしまえば、かつて「内村プロデュース」(テレ朝系)などで芸人が罰ゲームに受けていた、ビリビリ低周波のようなものだが、かつてはブルース・リーも注目していたという技術だ。

 これをドイツの研究チームが、全身16か所の筋肉を刺激できるボディースーツ「VISION BODY」として開発。当初はアスリートのリハビリなど医療シーンで活用されてきた技術が、トレーニング用に応用されたことで注目を集め、今や欧米・ドバイなどではハリウッドセレブやトップアスリートが実践する最先端エクササイズグッズとして人気を集めている。

 さっそく銀座のスタジオで、日本初導入となるボディースーツを着用した。腰の右側に電極が埋め込まれていて、ここにEMS機器をつけると、インストラクターが持っているiPadからの指示で全身に電気刺激が流れるという。

 当然ながら記者はこれまで電気刺激を受けたことはない。期待と不安を胸にいよいよプログラムが始まった。

 薄暗くどことなくムーディーな雰囲気のスタジオで、担当の女性インストラクターと挨拶。彼女がiPadを操作すると、腕や脚、お腹など体中にピリリと刺激が走る。

 この時点で目盛りは「10」を指していた。彼女曰く「初回は15〜20でもしびれている感覚があるかもしれませんが、慣れた方だと50程度でも平気になります」とのことだが、そんな数値ではもはやスタンガンではないかとビビってしまう。

 今のところまだ筋肉への刺激はほどよい程度とはいえ、油断はできないからだ。インストラクターの指示にしたがって、まずはウォーミングアップをし、体を温めていく。

◆どんどん上昇する電気刺激

 エクササイズでは脂肪燃焼と腹筋、ヒップアップといった筋トレを行うのだが、インストラクターとはマンツーマン状態。その場でお互いに意志確認をしながら徐々に電気を強くしていく。13、15、20……と。

 すると、インストラクターが「意外と平気そうなので、低周波ちょっと強くしていきますね。25、30……まだまだイケそうですね、40ならどうですか?」と目盛りを上げた。これまでよりも電気刺激が強くなり、誰かに腕や脚を押されているような感覚になる。

 そのままプランクや腹筋などを各30秒、20回、40回と繰り返していく。体幹を鍛えるヒップリフト、ダイアゴナルなども電気が強くなるにつれ、思うように体が動かず、起き上がったり、座ったりすることも一苦労だ。これ、思ったよりキツい!

 普段ならば、なんてことのない足上げ運動も、筋肉が直接電気に刺激されることで激しい運動に。インストラクターは、「まだまだイケますよね?」と、言いながらどんどん電気を強くしていき、ついに数値は「48」に到達。

 あ、脚が上がらない! 「もっと脚あげて!」という、インストラクターの女性(ドSでした……)の容赦ない激が浴びせかけられるも、記者はもはや単に脚をバタバタさせることしかできなかった。

 運動にかかった時間はわずか15分。広報担当の下渡恵子さんによれば「準備説明を合わせても、エクササイズにかかる時間は20分程度です」という。

 それだけの運動で、全身汗びっしょりに! 最後に、横になりながらの低周波マッサージモードでリラックスしたが、もはや腹筋を使って起き上がることに苦労するほど、ガッツリ疲れていた。これなら、短時間でも効果がありそうだ。

◆「時間を効率的に使いたい」

 レッスン基本料は毎月の受講回数によって異なり、1か月につき最大4回1万2800円 8回1万8800円、15回2万4800円、30回3万2800円で、それとは別に入会費1万円、システム使用料が5000円かかる。決して安い金額ではないが、利用者からの反応は上々だと言う(料金はいずれも税別)。 

「銀座という土地柄、利用者には若い女性の方も多いです。通常のエクササイズと比べて、非常に短い時間でカロリーを消費できるので、時間を効率的に使いたい、そのための投資をあまり惜しまないという考え方の男性もいるのではないでしょうか」(前出の下渡さん)

 これまでビリーズブートキャンプやモムチャンダイエットなどさまざまなエクササイズが注目を集めてきた。実のところ、記者も過去にこれらのエクササイズにことごとく手を出し、途中で飽きてしまっていた。また、正直言えば「20分で700kcalを消費」できたかは体験後もわからなかった。

 しかし、EMSの刺激と同時に行うワークアウトは確かにハードで、20分ほどの時間で効率よく身体を追い込めたのも事実。最新技術を活用して短時間で終わるエクササイズならば飽きず続けられるかも!?

<取材・文/HBO取材班>