「カナダ産オマール海老のトマトクリームパスタ」は細部の盛りつけまでこだわった逸品

写真拡大

 近年、女性客の増加やアメニティの進化が話題となっているラブホテル業界。そんななか、一流シェフの高級グルメが味わえるホテルまで登場している。国立市の「ウォーターホテルS」を訪ねた。

◆調理師免許を持ったシェフが24時間常駐

 さっそくメニューを見せてもらうと、まずは本格的な料理写真に驚かされる。同店の清水康司氏に話を聞くと、春〜夏、秋〜冬と季節限定のメニューもあり、新作料理ができるたび、こまめにレイアウトを変更しているのだとか。

「写真の撮り方にもこだわっています。わざわざ新しいメニューを食べるために来てくださるリピーターの方もいるので」

 肝心の味はどうだろう? 最初に注文したのは、「カナダ産オマール海老のトマトクリームパスタ」。お値段3000円、オマール海老をまるまる一尾使っているというド迫力のメニューだ。

「麺は創業105年、淡路製麺の生パスタ『キタッラ』を使っています。太麺なので、海老の頭をクラッシュして作った濃厚なソースがよく絡むんです」(清水氏)

 いざ、口に入れてみると……。海老の厚み、旨味がスゴい! ラブホテルの取材というよりは、食レポに来た気分だ。

「販促費と捉えていますが、原価だけで2500円かかっています。普通のレストランなら倍の値段はしますよ(苦笑)」

 続いて頼んだ「黒豚のグリル〜柚子ポン鬼おろし」は、「サツマイモを食べて育った本物の黒豚だけを九州から空輸しています」とのこと。しかし、ココまでグルメにこだわる理由はいったいなんなのか?

「実はもともと本業で料亭をやっていたんです。そこのシェフがメニューを作り上げています。そして今では24時間、常に調理師免許を持ったスタッフが常駐しているんです。またスタッフで食品展示会に参加して、全国の素材を吟味しながら、少しずつ種類を増やしています」

 料理を突き詰めていった結果、客側にもある変化が現れてきたという。

◆連泊する宿泊客まで登場!

 シェフが常駐し、本格的な料理を出すようになったウォーターホテルだが、その結果、客側にもある変化が現れてきたという。

「普通のラブホテルは男女一緒にチェックアウトされることが多いですが、うちは女性がギリギリまで残ることが多いんです。ひとりでランチを楽しんでから帰るんですよ。また、連泊する方も多いです」

 取材陣が訪れたのは平日の昼間だったが、駐車場は外車や高級車でいっぱい。さながらリゾートホテルのような雰囲気が印象的だった。

 また、客室の玄関部分が広く造られているのも特徴のひとつ。運んだ料理をカートごと置けるので、利用者と顔を合わせることなく、プライバシーや雰囲気を守ることができるというサービスだ。

 進化し続けるラブホテル。ここまでのビジネスモデルを真似するのは容易ではないが、高級レストランを超えるような店も出現しているのだ。

<取材・文/HBO編集部 撮影/本多誠 取材協力&料理写真:ウォーターホテルS>