走らないトレーニングが、走力をより早く、確実に向上させる鍵だった

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フルマラソンに向けたトレーニングというと、走るトレーニングにこだわる人が多いのですが、じつは走らないトレーニングをとり入れたほうが走力をより早く、確実に向上させることができます。

とくに、ランニングを始めたばかりで基礎体力が十分ではないという人は、有酸素運動にこだわるのではなく、テニスやゴルフ、野球など、ほかのスポーツを並行して行うといいでしょう。その目的は、まずは体を動かす頻度をできるだけ増やして、つねに「動ける体」をつくっておくこと。また、気分転換がはかれるというメンタル面でのメリットも大きいのです。この方法は、クロストレーニングと呼ばれていて、トップアスリートのなかでも取り入れている人が多いトレーニングです。

もう一つ、“筋トレ”は走るトレーニングと並行して行わなくてはならない必須トレーニングです。しかし、筋トレがどうしてもきつくて続かないという人もいます。そんな人は、ヨガなど、負荷は低めでも筋肉に刺激を与えることができる運動を行ってください。ヨガは体幹を鍛えるうえで非常に有効なので、ランナーにおすすめの運動といえます。また、自転車は心肺能力の向上に役立ちます。脚への負担も少ないため、脚に痛みがあるときの代替トレーニングとして取り入れてもいいでしょう。

水泳もクロストレーニングの種目としては理想的です。その理由は、水の浮力があるため腰やヒザなどへの負担が少ないため。くわえて、水の抵抗が強いため、水中でウォーキングをするだけでも短時間で心肺能力を向上させることもできます。さらに水圧がかかることによって血行が促進されてリカバリーも促されます。このように、水泳はいいことづくしクロストレーニングなのです。

ライター:楠田圭子(RUNNING style)
出典元:RUNNING Style Vol.85「ラクに走り切る体づくり10か条」/監修:牧野 仁(Japanマラソンクラブ)