U17ワールドカップから帰国後、初の先発起用となった宮代大聖。好機に絡むも無得点に終わった。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

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 遡ること11日前。森山佳郎監督率いるU-17日本代表は東京から遠く離れた、インド・グワハディでイングランドとベスト8進出を懸けて死闘を繰り広げた。

 パワー、スピード、テクニック。過去に味わったことがないレベルの相手との真っ向勝負。尋常ではないプレスの速さ、球際の強さも体感した。なんとかスコアレスで90分を終えてPK戦に持ち込むも、最後は3-5で敗戦。彼らの2年に及んだ旅は、唐突に終わりを告げた。
 
 世界の列強と鎬を削った21名の戦士たち。それぞれが所属チームに帰還し、現在行なわれているJユースカップに戦いの場を移している。とりわけ今週末の3回戦は、御殿場・裾野グラウンドでの一斉開催。まさに、昨日の友は今日のライバル。同じ場所に集い、敵味方に分かれて攻防を繰り広げる場面があちらこちらで見られた。
 
 そこには、森山ジャパンの前線を支えたストライカーの姿もあった。川崎フロンターレU-18の宮代大聖。高校2年生にして178センチの体躯を誇り、足下の柔らかさと決定力を兼ね備えた川崎の近未来を担う有望株だ。
 
 チーム合流後2試合目となった3回戦の大宮アルディージャユース戦。宮代は先発出場を果たすと、「身体はまったく問題ない」との本人の言葉通り、序盤からまずまずのパフォーマンスを披露する。開始早々の5分には動き出しの良さを見せ、相手GKと1対1の絶好機が到来。惜しくもこれは好セーブに阻まれたが、それ以外の部分でもフィジカルの強さを活かしたプレーで攻撃を力強く牽引した。3-1で快勝を収めたチームにあって、スケールの大きさを改めて証明してみせたのだ。
 
 宮代はチームの出来を称えた一方で、自身のプレーには不満げな表情を浮かべた。「結果にこだわらないといけない。もっと強度が高い中でやらないといけないなと思っている」と語る。
 なぜ宮代は、そう感じるのか。それはインド・ワールドカップでの悔しさがあるからだ。

「どうやっても思い出すし、悔しかった気持ちは大きい。でも、それを悔しかっただけで終わらせてはいけない」と語気を強める。3試合で1得点を挙げたものの、大会での苦い記憶が拭えない。グループリーグ第2戦で戦ったフランス代表のアミーヌ・グイリ(リヨン所属)に、決勝トーナメント1回戦で戦ったイングランド代表のリアン・ブリュースター(リバプール所属)。欧州随一のストライカーたちのプレーは衝撃的だった。

「やっぱり点を取れる場所にいるなと思った。感覚なのかは分からないけど、自分もそれはやろうと思えばできるはず。自分がゴールを奪えるポジションにいれば問題なくこなせると思う。シュートのパンチ力やシュート精度、いろいろな質。そこが自分たちより1段階も2段階も高かったので、パワーで勝てなかったぶん、そこは磨いていかないといけない」
 
 そして、自らをマークしてきた守備者も段違いだった。「やりにくさがあった。いつも日本人とやっているからかもしれないけど、感覚が違った。手足の長さの違いがあるかもしれないけど」と、強豪国の守りに苦しんだ。川崎U-18を率いる今野章監督は「僕も映像でしか見ていないですけど、大聖が通用した部分よりも通用しなかったところのほうが多かった」と話した。インドで自らの未熟さを痛感させられた宮代。ここまで力の差を感じれば、結果へのこだわりが人一倍強くなるのは当然だろう。
 
 ワールドカップで味わった力の差。これを埋めるためには、日々の試合や練習から意識を変えていくしかない。

「ひとつのプレーで相手をイメージしたい。前も言ったかもしれないけど、そのプレーが通用したのか、通用しなかったのかを頭の中でちゃんと整理する必要がある。でないと海外の相手とまたやった時、きっと苦労する。インドでの経験を次に繋げなきゃいけない」

 奇しくもこの日は東京五輪まであと1000日に迫った節目。宮代は3年後の檜舞台で勇躍すべく、日々研鑽を積んでいく。

取材・文:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)