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●自分にとって「正義」のアスペクト比

ディスプレイなど長方形における長辺と短辺の比率を指すアスペクト比。PCの画面解像度は伝統的に4:3の時代が続いたが、1,280×720ピクセルのHDディスプレイが登場した頃から、16:9が主流になった。SurfaceシリーズもSurface Pro 2までは16:9だが、Surface Pro 3以降は3:2を採用し続けている。

なぜ4:3ではなく3:2なのだろうか。Microsoftが行う最近のデモンストレーションを見ていて感じるのは、紙のA4ノートを手元で再現しようとしているからではないか。紙寸法の「A」サイズも「B」サイズも1.414:1という比率のため、ほぼ同等なのである(下図)。筆者は、新Surface Proからタイプカバーを外してタブレットスタイルで使う機会は少ないものの、Surfaceペンを組み合わせれば、Surface Proを"文房具"として使えるのだ。

もう1つの理由はフォトレタッチだろう。日本マイクロソフトはSurface Pro 4時代から、高コントラスト比のPixelSenseディスプレイを強調していたが、その能力はSurface Proにも受け継がれている。例えばデジタルカメラの世界なら、記録される画像のアスペクト比は3:2のモデルが多い(4:3の製品も多く、記録設定でアスペクト比を変えられる場合がほとんどだが)。

筆者が取材で撮った写真は、フォトレタッチ後に1,200×800ピクセルへリサイズし、編集部に納品することが多い。一見すると、画面は16:9の横長ほうが、フォトレタッチソフトの左右に並ぶツールバーのぶん使いやすく思えるが、常にツールバーや情報ウィンドウを開く必要はない。ショートカットキーとSurfaceペンで大概の作業が済むため、16:9画面のPCよりも、3:2画面の新Surface Proのほうが使いやすく感じるようになった。

3:2画面の欠点を挙げるとすれば、フルHD動画を視聴するとき画面上下に余白(黒)が出てしまうこと。個人的には、新Surface Proで動画視聴を行う場面は少ないため、不便を感じたことはない。

Webブラウザーやテキストエディターを思い浮かべると分かりやすいが、ソフトウェアの多くは縦方向のピクセル数が多いと使い勝手がよい。下図は、アスペクト比の違いを分かりやすくするために用意した画像だ。3:2のほうが無駄な余白が少ないと同時に、情報量も若干だが多く表示されている。

さて、Windows 10には、アプリケーション(以下、アプリ)のウィンドウを画面の端に見やすくリサイズするスナップ機能があるが、右端にテキストエディター、左端にWebブラウザーやPDFリーダーなど、原稿書きに必要なアプリを並べると、作業が進む。

アプリを全画面表示で使うこともあるが、3:2のアスペクト比はスライド資料なども読みやすく、小さな文字で書かれた調査結果の出典元を確認するようなときも重宝する。3:2は新Surface Proの専売特許ではないものの、仕事に使うことを考えれば、筆者にとっては"正義"と言ってもよいくらいだ。

3:2の欠点としては、フルHD動画を視聴するとき画面上下に余白が出てしまうことが挙げられるだろう。個人的には、新Surface Proで動画視聴を行う場面は少ないため、不便を感じたことはない。

●Windows 10のスケーリング設定を有効に使う

○スケーリングは既定の200%がもっとも使いやすい

新Surface Proの画面解像度は、WQXGA(2,560×1,600ドット)を上回る2,736×1,824ドットだ。これをドットバイドット、つまり100%のスケーリング表示で使うのは、アラフィフの声が聞こえてくる筆者には拷問以外の何物でもない。初代Surface Proではドットバイドットにチャレンジしていたが、しばらくして既定値のDPIスケールに変更したように記憶している。

上図のように、筆者にとって100%は論外。300%まで拡大すると情報量が著しく低下するため、見やすくても使いにくい。結局のところ、新Surface Proの既定値である200%から変更せずに使っている。ちなみに、デスクトップPCに接続した27インチの4Kディスプレイも200%にしていたが、最近は情報量を増やすため、175%に変更した。最適なスケーリング設定は、利用者の視力や必要とする情報量によって変化する。試行錯誤のうえ、もっとも使いやすい設定を選んでほしい。

○ワイヤレスプロジェクションでディスプレイを拡張

筆者のデスクトップPCには、3台のディスプレイがつながっている。この環境に慣れていると、新Surface Proの「1画面」が不便に感じてしまう。そこで、外出先で新Surface Proを使うときは仮想デスクトップで代替し、自宅の仕事部屋以外で作業する際は、古いSurface Pro 4を「ワイヤレスプロジェクション」の接続先として使っている。

Windows 10 バージョン1607から、PCをMiracastレシーバーとして利用できる機能を実装した。自宅内なら荷物の制約もないため、Surface Pro 4を引っ張り出してはサブディスプレイ化している。3:2アスペクト比の画面が2つ並ぶと作業効率が大きく高まり、たまに「デスクトップPCはいらない」とさえ思ってしまう。まだまだデスクトップPCを手放すことはないが(動画エンコードやフォトレタッチなどで活躍中)、新Surface Proを購入してから今回改めて考え込んでみたところ、日本マイクロソフトのキャッチコピー「これさえあれば、何もいらない」は、当てはまるユーザーがけっこういるのではないかと感じた。

阿久津良和(Cactus)