菊花賞は終わりましたね。菊花展など大輪の菊はこれから見ごろを迎える季節となりました。
菊はキク科キク属の多年草で、世界中に1万種以上あるともいわれています。色や形の種類は多岐に渡り、観賞用だけでなく食用のものまで存在します。
このたびは、同種だというのに、大輪から小ぶりのものまで、カラフルで様々な表情をみせてくれる菊の世界を垣間見てみます。

ピンクのポットマム


あなたはマム派?和菊派?キクの種類いろいろ

様々な種類がある上に分類も呼び名も様々で迷いますね。
よくみかける「マム」は洋菊のこと。最近では「mom」とかけて、母の日にかわいらしくカラフルなマムの花束をプレゼントされる方も増えてきました。
また、よく流通している「スプレー菊(スプレーマム)」のスプレー(Spray)とは先が分かれた枝との意味で、小枝の先に多数の花を付ける菊の総称。花の直径が6センチメートルから3センチメートルくらいです。
歴史的なことでいうと19世紀に入り日本の多様な菊が欧米に渡り、ヨーロッパで「スプレー菊」アメリカでは「ポットマム」が生み出され世界三大花のひとつとされる今日の菊が作り上げられました。
大きく、以下のよう分類にわかれます。
大ギク(大菊) …菊花展などで見られる観賞菊など
古典ギク(古典菊) …伝統菊、江戸菊、伊勢菊、肥後菊、丁子菊など
小ギク(小菊) …懸崖仕立てや盆栽仕立てで楽しむ小ギクなど
マム(洋菊) …ポットマム、スプレー菊(マム)、ガーデンマムなど
野生ギク …山野草として楽しむキクなど

スプレー菊 アナスタシア


江戸時代からはじまった通な菊の楽しみ方とは?

11月の上、中旬頃に見頃をむかえるのは、菊花展などで見られる大輪のもの。主に以下に分けられますが、いずれも見ごたえがあります。
・「厚物(あつもの」
ぼってりした花弁が特徴で多数の花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がったもの
・「管物(くだもの)」
細長い花びらが特徴で花芯から直線的な管弁が放射状にのび、花弁の多くが管弁となるもの
しかし大菊(大輪)作りがさかんになったのは、明治時代からだそうで、もともとは、菊の育種が一気に展開したのは江戸時代。江戸時代に「菊合わせ」と呼ばれる新花の品評がしばしば行われ、江戸、伊勢、京都、熊本などでそれぞれ独自の品種群、系統が生じました。現在では「古典菊」と呼ばれています。古典菊は全般に花型の変化が極めて顕著であるのが特徴で、その中でも「江戸菊」は咲き初めから咲き終りまでの間に、花弁が様々に動いて変化していく様が見事です。江戸時代に「三段仕立て」などの仕立ての様式やその丹精の仕方なども発達し、菊花壇、菊人形など様々に仕立てられた菊の観賞も始まりました。

厚物の菊


あなたのまわりの身近な「菊」デザイン

菊は仏花とされることが多くて抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「菊」の漢字は、もともとは、散らばった米を1ヶ所に集めるの意で、菊の花弁を米に見立てたもの。
漢名の「菊」は”究極、最終”を意味するそうです。花言葉は「高貴」「高尚」。
和菓子とともにお茶をたしなまれたり着物を召される方にとっては、菊は馴染みな存在ですが、そうでない日本人の私たちにとっても、菊は、皇室の御紋章で用いられているだけでなく、50円玉やパスポートにもモチーフとなって登場します。
またお料理の器では美しいフォルムの菊花皿。食事の美味しい季節だけに、どこかで見かけているみかけているかもしれません。菊モチーフを探しながら秋を楽しむのもいいかもしれませんね。

白い浜菊と小菊


美しいだけではない!「菊」のアロマの楽しみ方

菊に含まれる「カンファー」の香り成分はローズマリーや針葉樹の葉にも含まれるものと同様です。花弁が密集しているピンポンタイプ、デコラタイプの菊に芳香性の高いものが多いようです。
「カンファー」は、ドイツ語読みでは「カンフル」と呼ばれます。いわゆる「カンフル剤」の「カンフル」。しみとおるようなフレッシュな香り。刺激性でありながらリラックス効果もあるので、ブーケや花束に組み合わせるのも素敵ですね。

秋も深まり寒さも少しずつ増してきましたが、イベントや行楽も多い季節です。体調管理に気をつけて、楽しい秋をお過ごしください。

ポンポンマム