中川翔子も使う「僭越ながら」とは、どういう意味?

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 ビジネスシーンなどでよく使われる「僭越ながら」という言葉、よく考えてみると、なぜこのような言い方をするのか疑問に思ったことはありませんか? また、意外と間違った使い方をしていることもあるようです。そこで、「僭越ながら」の語源や正しい使い方を探ってみましょう。

 小学館「デジタル大辞泉」によると、「僭越」とは「自分の地位や立場を越えて出過ぎたことをすること。また、そのさま。」と書かれています。「僭」は目上の人を意味しており、それを「越」えるという意味なんですね。なので、上司が部下を前にして言う表現ではないようです。

 Weblio類語辞書では、僭越ながらの類語は、「恐れながら」「お言葉ですが」「失礼ですが」「出過ぎたことを言うようですが」など、謙遜・恐縮しながら意見を述べるときに使う言葉が並びます。また、身の程に合わないことをした人が用いる表現として、「出過ぎたことを申しまして」などがあります。

 使用例を紹介しましょう。タレントの中川翔子さんが、ブログでアニメソング100周年アニバーサリーの舞台に立ったことを報告していた際、「僭越ながらMCを務めさせていただき、そしてわたしもグレンラガンの空色デイズ、ポケモンのドリドリ、歌わせていただきました」と表現していました。多数のアニメソングの大御所歌手が集う中、まだ新参者の立場と言える中川さんにふさわしい慎み深い発言といえますね。

「僭越ながら」を使うと、なんだか上品なイメージがありますよね。普段から、意識的に活用してみてはいかがでしょうか。