Gとは地球の重力加速度のこと

 最新のメーターパネルにはマルチインフォメーションディスプレイなどと呼ばれる液晶パネルが組み込まれていて、さまざまな情報が表示されます。なかには「こんな情報必要か?」と思われるようなものもありますね。スポーティなクルマでは、Gメーターが表示されるものもあります。同心円の中で中央に置かれたボールが転がるような表示で、クルマのGの変化を示しています。今回は、そのGについて考えてみたいと思います。

 Gというのは重力加速度のことです。地球上に存在するものは、地球の中心に向かって引っ張られています。これを重力といいます。みなさんにも当然重力がかかっています。もし重力がゼロだったら、飛び跳ねたりすると宇宙の果てまで飛んでいってしまうことになります。ちなみに月の重力は6分の1なので、月面では飛び跳ねるように歩く姿になります。

 静止しているものに掛かるのが1Gです。落下しているときにはGが減ります。重力加速度と同じ加速度で地球に向かって落下すると0G=無重力になります。

 つまり地上にいる状態は、本来は地球に向かって落下するはずなんだけど、それに抗って静止しているので、1Gの重力を受けている、というわけなんですね。だから上に向かって飛び上がる時には1G以上になるわけです。それを水平方向に展開させたのが、前後Gや横Gになります。前後方向や横方向へと押される力を、重力に換算したものと言っていいでしょう。

 速度感覚という言葉がありますね。我々はスピードメーターなしに速度を知ることができません。なぜなら、長さも時間も身体で検出することができないからです。速度というのは長さ(距離)を時間で割った数字ですから、そのどちらも判らないのに速度が判るはずがないんです。だから速度感覚という「これくらいの速度かな」という感覚的なものになるわけです。狭い道やトンネルでは速度を高く感じ、広い高速道路では速度を低く感じるのです。

 我々が運転する時に体感しているのはGなんですね。Gの変化によって、クルマの加速や減速、あるいはコーナリングを体感し、それを操作にフィードバックさせながら運転しているのです。

 もっとシンプルに言い切ってしまえば、運転とはGをコントロールすることなんですね。Gをコントロールすることが目的で、ステアリングを切る、ブレーキをかける、アクセルを踏むというのは、Gをコントロールするための手段なんです。安っぽいドラテク本などでは、どう操作するのか? みたいなことが短絡的に書かれていたりしますが、それは本質的ではありません。

 Gは目に見えません。だから特別意識せずに運転している人もいるかもしれません。しかし快適に、安全に、クルマを走らせるためにはGを意識して、積極的に感じ取りながら運転することが必要なのです。そして、凄くシンプルに言い切ってしまえば、いいクルマというのはGをしっかりと体感できて、それを反映させた運転が可能なクルマのことだと思います。あなたのクルマは大丈夫ですか?