社会人の2人に1人が転職する時代。総務省の労働力調査でも2016年の転職者数は306万人。7年ぶりに300万人台の大台に上がったとニュースになり、これからも転職人口は増加予測。
そこで本連載では、いい転職をした女性と、悪い転職をした女性にお話を伺い、その差は何かを語っていただきました。

瀬田志保さん(仮名・37歳・神奈川県出身)
●転職回数……1回(小売店→レストラン運営会社)
●転職した年齢……30歳
●年収の変化……500万円→350万円
●学歴……都内のFランク大学卒

Fランク大学の就活事情は、かなり厳しかった……

中堅の県立高校を卒業してから、いわゆる「Fランク大学」に進学しました。小さい頃からそこそこ頭がいいと言われていたのに、みんなが名前を知っている大学に合格しなかったのはショックですね。それでも首席で卒業すればなんとかなるかな……と思っていましたが、そんなに現実は甘くない。100社受けて、内定が出たのは家電量販店と、大規模小売店の2社だけでした。周囲の友だちは家業を継ぐ人がほとんどだったし、「一生バイトでいい」という人も少なくない。東証2部上場以上の企業に受かったのは、数人しかいませんでした。

新卒女子が2つのお店の店長を兼任し、2週間で4キロ痩せる

就職した生活用品や雑貨の小売業は、正社員採用でしたが、研修もそこそこにいきなり現場で、東京郊外にある2店舗の店長を任されました。やることが多すぎて、店舗に泊まり込むこともあり、2週間で4キロ痩せました。一応、社員用のマニュアルはあるのですが、感覚的に仕事を覚えなくてはならない部分が90%以上ですからね(笑)。
仕事に慣れず苦しむ私を、主婦パートの人が助けてくれたのでよかったのですが、そうじゃなかったら辞めていたと思う。同期の中でも上から目線で社員風を吹かせる人は、パートさんに無視されて、仕事が回らず辞めていました。
学生バイトさんや主婦パートさんが、PCを使い商品の発注、返品処理、荷受け、シフト管理、電話対応を行ない、店舗業務である品出し、レジ打ち、荷受、掃除、賞味期限チェック、商品案内、クレーム処理などをやっているんですから。時給1000円にも満たないのに膨大な業務をしている。小売店は非正規雇用の人がいないと回らないと思いました。

安物を扱うお店のスタッフは、モノのように扱われる……

所詮、安いモノを売っている店員は、モノのように扱われる

結局、8年間務めて、仕事も慣れたし給料もそこそこだったのですが、ずーっと現場で、2〜3店舗の店長を兼任し、安価な商品にまみれていると、自分の存在が無意味になってしまったように感じたんですね。一度、5年目にうつっぽくなって4か月休職しました。朝、起きたら仕事に行きたくなくて、体が全然動かないんですよ。実家に住んでいたからなんとかなったものの、1人だったら死んでいたと思います。
転職の原因は、自分の存在意義の問題。はっきり言えないのですが、激安小売店のお客さんって、ちょっと問題ある人が多いように感じます。そもそも激安商品なのに、商品に瑕疵があるとものすごいクレームをつけてくるし、お金を投げるように渡すなんて日常茶飯事。こっちも「安い商品を買う安いお客さんなのに、何を言っているんだ」と思ってしまいますしね。
あとは、お店の中に満ちている「とりあえず買って、後で捨てればいいや」という雰囲気が伝わってくるんですよ。大切にされないモノを売っている店員ってやはり意識的にも、大切にされないんですよね。気持ちやプライドが入らない仕事は、若いうちはいいけれど、30歳になるときつくて。

立ち仕事で馬車馬のように働くのはやめて、事務などのデスクワークでもいいかなと。給料は落ちても、誇りが持てる仕事がしたいと思い、転職を決意しました。

転職期間中、おしゃれな雑貨店でバイトを志すも、太った見た目で不採用になっていたとか。

結局、デスクワークがメインの会社には転職できなかった〜その2〜に続きます