富士通のパソコン事業の行方はどうなるか。(c) 123rf

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 富士通とレノボのパソコン事業に関する交渉が大詰めを迎えている。富士通は、売却となるか事業統合となるかについては明言を避けつつも、11月下旬には最終合意へと到達するという見通しを示した。

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 そもそも、富士通(並びに、そのコンピュータ事業の分社である富士通クライアントコンピューティング)とレノボグループが、「戦略的提携」について最初に発表を行ったのは2016年10月27日のことである。

 しかし、交渉は長引いた。効率化を推し進めたいレノボと、国内の工場や雇用などを維持したい富士通の間でかなりの意見の食い違いがあったようで、一時は「交渉は白紙か」と囁かれたこともあった。だが、どうやら、一定の合意へと至る筋道がようやく見えたようである。

 レノボグループは古豪NECを既に傘下に置き、IDCジャパンのデータによれば、2016年の国内パソコン出荷台数ではシェア第1位、24.6%を占める。富士通は2位で17.5%である。すなわち、両者が統合となればシェア4割を越え、いずれもシェア10%強の3位デル、4位HP、5位東芝に大きく水を空けることになる。

 富士通は日本のパーソナル・コンピュータ市場においては大きな存在感を持つ企業である。黎明期というべき時代からFMシリーズやFM-TOWNSでその名を知られ、現行のFMVも一定のブランド力を保持している。このFMVの今後についても、交渉の要点となったと見られる。

 だが問題は、パーソナル・コンピュータの産業そのものが、今日では斜陽のもとにあると言わざるを得ないことだ。JEITA(電子情報技術産業協会)の統計によれば、2007年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績は約930万台、これが2016年度には700万台を切るまでに陥っている。業界そのものの生き残りをかけて、再編は必至という状況にある。

 何であれ、11月の最終報告を待たねばならない。果たして、交渉の結末はどうなることであろうか。