雨の日でも快適。傘を差さずにブラつける都心の意外な街

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 荷物や足元が雨に濡れないよう歩幅に気を使いながら、びしょ濡れの傘を片手に、満員電車に乗り込む。

 雨になると、東京の街は外出するのが億劫になる要素だらけだ。だからこそ、アーケード商店街や地下街のある街に住む魅力は想像以上に大きい。アーケードに隣接するマンションに住めば、ちょっとコンビニへ…という時もいちいち傘を持ち歩く必要がないし、外回りなどがないオフィスワーカーならば自宅から会社まで一度も傘を差さず、1日済ませるということもできる。

 そこで本記事では雨の多いこの時期にこそ、その魅力がわかる“雨の日でも傘を差さずに暮らせる意外な街”を紹介する。

◆十条(北区)

 埼京線十条駅の北口改札を出て、徒歩30秒程度のところにあるのが十条銀座商店街。十条には十条銀座のアーケードに接続するかたちで、十条仲通り商店会、富士見銀座商店街、十条中央商店街といった商店街があり、大きな商店街を形成している。加盟店約200店を誇る、北区では最大規模のアーケード商店街だ。

 この商店街、品川区の戸越銀座と江東区の砂町銀座と一緒に「東京三大商店街」と呼ばれることもあり、特に惣菜の種類が豊富で安いのが特徴。明治30年代後半からの歴史があるが昭和53年にアーケードが整備され、平成10年に環境整備に重点をおきアーケードの改修が行われている。京浜東北線東十条駅からも徒歩圏内で、また、十条駅と同じ埼京線沿線ではLaLaガーデン赤羽スズラン通り商店街などもある。

◆立石(葛飾区)

 平日の昼間から飲兵衛たちが集まる下町チックなディープスポット、立石もアーケードを備える街のひとつだ。

 北側では個性的なお店が集まる“呑んべ横丁”の再開発が始まっているが、立石駅通り商店街の南側には短いながらも有名テナントなども入るアーケード商店街がある。

 一方、それに隣接する立石仲見世商店街も、今も昭和の香りを色濃く残すことで有名な全長120メートルの細いアーケード商店街だ。50年以上の歴史を誇り、「もつ焼き宇ち多゛」など人情味あふれる個性的なお店がズラリと並ぶスポット。こちらはナショナルチェーンなどはなく、開店も早いだけに閉店も早いお店が多い。

◆上野(台東区)

 雨に濡れないのはアーケード商店街だけではない。JR・地下鉄上野駅(日比谷線・銀座線)、京成上野駅、上野御徒町駅(大江戸線)、上野広小路駅、御徒町駅、仲御徒町駅の8駅が繋げる「上野中央通り地下歩道」。

 東京駅や新宿駅などと同様に上野も傘をささずに乗り換えができる駅だ。冷たい秋雨の降りしきる平日の18時過ぎでも道が広く利用者もそれほど多くない。

 お店などはないが地上のアメヤ横丁などの人ごみで傘をぶつけながら歩くことを考えると、この地下道は単純に移動するだけなら非常にラク。この地下道ができた経緯には地上の路上駐車を減らす目的もあるそうで、地下駐車場も併設されている。

◆蒲田(大田区)

 サンロード蒲田とサンライズ蒲田という2つのアーケードの商店街から構成される蒲田西口商店街。

 併行して西に伸びている2筋のアーケードを合わせると200店舗を超える規模で、飲食店から映画館までバラエティに富み、チェーン店も個人経営のお店も多く活気がある。

 サンロード通りのアーケードは昭和40年に、サンライズアーケードは昭和52年に完成したもので、地元の人たちが日常的に利用する商店街独特の風情が漂っている。春の「蒲田行進曲フェスタ」など催しも盛ん。京急蒲田駅からJR蒲田駅までは約1キロ、徒歩15分ぐらいの距離には京浜蒲田商店街「あすと」などもあり、蒲田は雨の日の利便性が高い街だ。

◆大森(大田区)

 蒲田駅と同じ京浜東北線の大森駅東口南側にも緑と黄色の色合いがカラフルなアーケードが。大森銀座商店街は駅ビル・アトレの南側から東へ伸びる商店街で、アーケードが終わったさらに東にもこの商店街は続いており、駅から最も近いアーケードがかかるエリア、「鷲神社」や事務所・広場のあるエリア、病院が多くあるエリアと、おおまかに3エリアに分かれている。JRのガード前、駅に近づくほど全国チェーン店や飲食店が多く、人通りも増える印象。

<取材・文/伊藤綾>