平昌五輪公式サイトより

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 平昌五輪の開幕まで約4カ月。日本でもウィンタースポーツへの関心が高まりつつあるが、 大会には今なお課題が山積している。

 まず、日本でも報じられている通り、緊張の高まる北朝鮮情勢を理由にフランスやオーストラリアが参加 辞退の可能性を示唆していることだ。オーストラリアのオリンピック委員会会長は「(北朝鮮情勢の) 状況が悪化し、自国選手団の安全が保証されなくなった場合、我々は韓国には行かない」とまで語っている。来月13日の国連総会では、 平昌五輪の開幕7日前から閉幕7日後まで、すべての敵対行為を行わないという内容の「五輪休戦決議案」 を採択する予定だというが、肝心の北朝鮮側がどんな行動に出るかわからないため、不安は残る。

 平昌五輪が抱える課題は、ほかにもある。チケットが売れていないのだ。

 平昌五輪組織委員会が10月11日に発表したところによると、これまで売れたチケットは約32万枚で、目標の129万枚の24.8%にすぎないという。これまで開催された五輪では、チケット販売率が92〜95%に上っていたことを考えると、あまりに売れ行きが不振であることがわかる。しかも、そのうち約19万枚は海外で売れたもので、韓国国内では特に売れ行きが悪い。

 国民の関心の低さは韓国文化体育観光部(日本の省に相当)が今年9月に発表した「平昌冬季五輪及びパラリンピック国民世論調査」にも表れている。調査に応じた15〜79歳の韓国国民1,000人のうち、会場に足を運ぶ意向を示したのはわずか7.1%で、テレビで観戦するとの回答が81.7%にも上っているのだ。

 また、平昌五輪に関心があると答えたのは39.9%と、半数にも至らなかった。それでも66.6%が「平昌五輪は成功する」と考えていることは、国民の無関心を逆説的に示しているといえる。 開催地のムードがシラケていることもまた、平昌五輪の不安材料だろう。

 さらに、平昌五輪の期待度が上がらない一因には、スター不足がある。例えば韓国で「ウィンタースポーツの花」と呼ばれるフィギュアスケートには、キム・ヨナの引退以降、 メダル候補が現れていない。人気種目のスキージャンプでも、国内唯一の女子ジャンパーであるパク・ ギュリムが同種目史上初めて冬季五輪に出場するが、「平昌で注目すべきスターは日本の“スキージャンプ・アイドル” 高梨沙羅だ」(『マニアリポート』イ・ウンギョン取材部長)と、日本選手の方が話題になっているぐらいだ。

 まして今回の五輪には、アイスホッケー種目にNHLの選手たちが参加しない。韓国がNHLの市場拡大戦略の対象外だったことなどが関係しているらしいが、韓国では「冬季五輪最高の人気種目であるアイスホッケーに世界最高の選手た ちが参加しないことは、平昌五輪の興行においても大きな不安材料だ」と報じられている。

 また、振り返れば2014年に開催された仁川アジア大会では、運営ボランティアが観客の案内をサボってスマホをいじったり居眠りをしたりしていたことが問題となっていた。今回の平昌五輪でも同じことが起きないとは限らない。

 このように、すでに暗雲が立ち込めている平昌五輪。はたして大会は失敗に終わってしまうのだろうか? 引き続き、動向を追っていきたい。
(文=S-KOREA)

●参考記事
・羽生のライバル? “男子版”キム・ヨナ? 韓国男子フィギュアの平昌五輪代表は誰の手に!?
http://s-korea.jp/archives/21527?zo
・欧州各国の“不参加ドミノ”だけじゃない。 平昌五輪が解決に苦しむ最重要課題とは?
http://s-korea.jp/archives/21180?zo