「作業員の中にはそれでも昔ながらのやり方に固執する者もいた」ものの、大部分のメンバーは「これによって誰もがもっとスマートに働けるようになる、ということをしっかり理解してくれた」とカストロは話す。

 工場のオペレーションがデジタル化される以前は、作業員が不具合を起こしたすべてのエンジンを完全に分解し、組み立て直していた。

 今では、各機関車に設置された何百個ものセンサーからエンジンの健康状態を仔細に把握できるようになったので、エンジンを再発送するまでに、簡単な修理だけで済むような場合もある。

 2014年からグローブシティの工場で働いているジェイミー・モイヤー氏は、追跡しやすいようにエンジン部品にバーコードを刻むチームに所属している。

 「覚えるまでに少し時間はかかったけど、それだけの価値が絶対にある。『ブリリアント』ファクトリーの取り組みが始まってから、工場は以前よりずっと整備された。探し物のために走り回ることも、今はあまりない」

 カストル氏自身の仕事の生産性も大いに高まっていている。「作業場で起こっていることを自分のデスクから正確に把握できるようになった」という。

 かつては情報を見つけるのに多くの時間を費やし、時にはエンジン部品の書類を探すのにいくつもの箱をしらみつぶしに調べることもあった。

 しかし、今では自身のPCや作業場のステーションの上にある大型スクリーンを眺めれば、工場が目標を達成できているかどうかや、メンテナンスが必要なラインがあるかどうかを確認できる。それゆえ、安全課題や優先順位の高いプロジェクトに注力することが可能になった。

 グローブシティで電車のおもちゃで遊びながら育ち、この地で働きたいと願ってきた者としては、GEがものづくりの未来に備えてこの工場を進化させていく過程を目の当たりにできるのはとても嬉しい、とカストル氏は話す。

 それでもなお不安を捨てきれないメンバーに向けて、カストル氏はこうアドバイスする。「この変革のチャンスを活用しよう。少し変化を受け入れてみれば、この変革が本当に多くの時間の節約につながることを認識できるはずだ。僕自身も毎日、とても大きな恩恵を受けているよ」ー。