中年になると陥りやすいという「ミドルエイジ・クライシス」。人生の危機にどのように向き合い、解決していけばよいのでしょうか……?

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「人生の午後」への準備、できていますか?

中年(ミドルエイジ)の入り口は、何歳くらいかご存知ですか? ユングは人生の折り返し地点を40歳頃と考え、この時期を「人生の正午」と呼びました。

ところで、ミドルエイジは、俗に「思秋期」ともいいます。思春期が、大人への成長を前にさまざまな葛藤に悩む時期であるのに対し、思秋期は、若い頃の価値観や生き方を見直し、人生の後半をどう生きるか考えていく時期にあたります。

つまり、ミドルエイジの入り口にあたる40歳前後、つまり「アラフォー」と呼ばれる頃から、人生そのものも、そして生き方やものの考え方もダイナミックに変化していきます。

「ミドルエイジ・クライシス」をご存知ですか?

最近、よく「ミドルエイジ・クライシス」という言葉を耳にします。中年にさしかかると心の負担が増え、精神的に追い詰められる人が増えてくるため、要注意なのです。

ミドルエイジには、仕事や家庭をはじめ、あらゆる面でストレスがのしかかります。たとえば、職場では中間管理職として、上司と部下、双方のバランスをとって仕事を進める責務を担わされる人が増える頃です。

また、家庭では子どもの将来、マイホーム計画、老いた両親への責任、老後への人生設計など、抱える問題が一気に増え始めるのもこの頃です。

若さへの執着が落とし穴に

また、ミドルエイジが心の危機に陥りやすいのは、“実年齢”と“気持ち”のギャップが大きいことも影響しています。頭では、「まだまだ自分は若いんだ」と思っていても、実際には、その年齢なりに心も体も成長し、老化も始まっています。

このとき、「ミドルエイジが考えるべきこと、やるべきこと」に気づかないでいると、これからの人生の展望を見失ってしまいます。

生き方、考え方を「リストラ」する時期

ひとことで言えば、ミドルエイジの初期は「リストラ」の時期。“人生をリストラクチャリング(再構築)する”。それが、ミドルエイジの入り口でまず着手しなければならない課題なのです。

そのためには、自分の人生設計を、あらゆる角度から見つめ直していく必要があります。ここでは、最低限おさえておきたい、見直しのポイントについて紹介してみましょう。各項目ともバランスよく目をくばれているかどうか、じっくり考えてみましょう。

【例】
●健康
・現状の健康チェックと定期健診の受診
・健康管理の見直し(食生活、睡眠、休養、飲酒、喫煙)
・家族の健康と心の状態の把握

●仕事
・今後の仕事の目標の見直し
・職場での人間関係問題の把握
・仕事に必要なスキルアップの計画
・職場でのストレス対策の検討

●家庭
・夫婦の問題の把握
・子どもの将来設計の把握
・マイホーム計画の把握と見直し
・老後の人生設計への準備
・家族の団らんや余暇の充実

●両親の問題
・嫁姑問題などの把握
・老後の世話と介護の問題の把握
・両親の死後の問題の把握

●人付き合い
・嫁姑問題などの把握
・交友関係の見直しと充実
・近所、親戚などの人間関係の把握

●自分だけの時間、趣味
・気晴らしや趣味の充実

●金銭面、資産
・財産、資産の把握
・年金、各種保険の見直し
・貯蓄・積み立て計画の見直し
・お金の使い方の見直し
・老後の資金計画への着手

10年先、20年先のビジョンが見えているか?

人生の折り返し地点で将来設計を考えることは、自分に向き合う絶好のチャンスです。日々の忙しさにかまけていると、自分が本当にやりたいことや将来への展望などは、見失いがちになってしまうものです。

何も考えずに、「人生なるようになるさ」「宵越しの金なんて持たないぞ」などと、楽観的になりすぎると、人生の後半で思わぬ落とし穴にはまらないともかぎりません。

大切なのは、これからの人生のスケジュールを頭に描くことです。それにはまず、10年先の自分、20年先の自分……と年齢を決めて、そのときに自分がどうありたいのか、具体的にビジョンを思い描いてみることが大切です。

人生計画は、楽しみながら考えるもの。自分に向き合いつつ展望を描き、人生の後半をさらに充実させていこうではありませんか。
(文:大美賀 直子)