「BORDER 贖罪」がいよいよ10月29日(日)に放送/(C)テレビ朝日

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2014年4月期に連続ドラマとして放送され、規格外のスケール感と役者陣の演技、そして衝撃の“ラスト”が話題を呼んだ小栗旬主演ドラマ「BORDER」(テレビ朝日系)。

【写真を見る】思わずゾッとする表情を見せる満島真之介! 怪演ぶりも衝撃/(C)テレビ朝日

3年間の沈黙を経て、10月6日と13日には波瑠主演のスピンオフ「BORDER 衝動〜検視官・比嘉ミカ〜」が放送され、比嘉の“バックボーン”も明らかになった。

そして、10月29日(日)夜9時からは待望の“続編”となるドラマスペシャル「BORDER 贖罪」が放送。

そんな続編の放送を直前に控え、希代のヒットメーカー・金城一紀と共に「BORDER」シリーズを作ってきたテレビ朝日の山田兼司プロデューサーに、同シリーズの“これまで”、と、“これから”について聞いた。

ロングインタビュー後篇では、「BORDER」ワールドの“これから”についてを中心に語ってもらった。

【「BORDER 贖罪」放送直前! 山田兼司Pが語る「BORDER」の“これまで” より続く】

■ 國村隼さんはやっぱりすごい方!

――「贖罪」で、石川(小栗)の新たな“敵”として登場した久高も個性派ですし、演じる國村隼さんがまさに圧巻ですね。

本当によくぞ引き受けてくださいました!という感じです。國村さんはこの役において一番引き受けていただきたかった方なので。

こういうキャラクターが出てくる、ということは書く前から聞いていて、誰がいいのかなと思っていたとき、ちょうど國村さんが出られた映画「哭声/コクソン」(2016年)を拝見して。やっぱり國村さんはすごい方だなと圧倒されました。

昔でいえばジョン・ウー監督をはじめ、世界の映画監督から認められ、世界レベルで活躍されてきた方なんですよね。今回演じていただいた久高ってすごい役なんですよ。それもストーリーの中心軸にいるので、國村さんにやっていただきたいですよねと金城さんとも話をしていて。

途中、なかば強引に「絶対キャスティングします」って言ってしまったので、金城さんも國村さんのイメージで書き始めちゃったんですよ。決まるまではプレッシャーだったんですけど、強い思いでお願いしたら何とか調整して出演していただけました。実際すごくイメージに合っていますよね。

淡々と石川の罪を追及していくんですけど、人間の深いところまで見透かしている感じがして。あの白のスーツもハマっています。全部國村さん用に仕立てたんですけど、あの白のスーツが決まる人って日本にはなかなかいませんよ。

――確かにあの衣装は気になりました。

それでも最初は大丈夫かなと不安もよぎったんですけど、生地選びからフィッティングして仕立ててもらって、“司祭”のイメージで仕立てました。ある意味この「贖罪」は、石川という存在に対する“宗教裁判”に近い話なんです。

「BORDER」ファンだったらオンエアを見て気付いてくださると思うんですけど、実は久高や部下たちの衣装や佇まい、それこそ動き方も全てに象徴的な意味やメタファーが隠されていますので、ぜひ注目して頂きたいと思います。

■ 日本の映像界でもなかなかない芝居合戦

――久高は“絶対的正義”の象徴でもあるのかなと感じました。

正義もそうなんですけど、どちらかと言うと審判する側として石川が向き合わざるを得ない相手。それが視覚的にも伝わってくれるといいなと思いました。存在感がすごいですし、何よりお顔の迫力が…(笑)。

小栗さんと2人の芝居合戦は見応えがありますよ。そこに大森さんが入り込むという。日本の映像界でもなかなかない芝居合戦だったと思いますし、とても贅沢なシーンになっていると思います。

――しかも1人(安藤)はそこにいないはずの存在ですからね。

そうですね。一歩間違えるとSFっぽくなっちゃうので、そこをリアルな肌触りで描けたのは、この3人だからこそできたことだと思っています。

――今回のキャラでは、満島真之介さんの怪演ぶりも注目ですよね。

とても合っていますよね。明るく爽やかな役もできる方ですが、もともと今回の役のような方向性もできる方なんだろうなと個人的には思っていましたし、実際とても良かったです。

それにこれだけのキャストが集まることってそうそうないことですし、大作映画でもなかなか実現しないキャストがテレビで見られるので、堪能していただきたいです。

■ 「BORDER」ワールドを彩る音楽の魅力

――「BORDER」の世界を彩る上で欠かせない川井憲次さんの音楽についても教えてください。

川井さんとの出会いも大きかったです。“相思相愛”と言いますか、川井さんも本当に「BORDER」の世界を好きになってくださって、曲を作ってくださいました。そもそも「BORDER」という題材、テーマ性、そして世界観が川井さんのこれまでやってこられた世界観や、彼が得意な世界観との親和性も高かったのかもしれません。

僕も川井さんの音楽が大好きだったので、「BORDER」の音楽を誰に担当していただこうかと思ったとき、いの一番に川井さんのことが浮かびました。川井さんの作家性と、「BORDER」の世界観の相性が抜群に良かったのだと思います。

――「贖罪」でもふんだん使われるとのことで、うれしくなりました!

ありがとうございます。実は一箇所だけ「衝動」で作ったテーマを入れているところもあります。スピンオフのために作っていただいた曲だったので、今回は使わないでおこうかなとも思ったんですけど、そのシーンは比嘉の石川への思いがあふれる場面なんです。

そのシーンは、スピンオフを見ていれば比嘉というキャラクターの人生と現時点での彼女の思いに感情移入できるし、そこで「衝動」のテーマをかけるのは必然性があるなと思いまして、使わせていただきました。

――今回あらためて思ったのは、比嘉だけではなく立花(青木崇高)もどんどん石川のことを大好きになっていますよね(笑)。

そういう感じに見えますかね(笑) すごく長いせりふもあるんですけど、あのせりふも普通のテレビの感覚で言えば、リスキーなんですよ。でも、そこは青木さんを信じて、あれを語る必然性もこの物語にはあると思ったので。

本当に青木さんが青木さんにしかできない表現力でやってくれたなと思いました。立花の石川への熱い思いが表現されていると思うので、注目してほしいです。青木さんも周りからかまないようにプレッシャーをかけられながらも頑張っていました(笑)。青木さんがずっとムードメーカーでいてくれて助かりました。

■ “物語の力”と“見る力”のぶつかり合い

――そして、いよいよ3年の時を経て“衝撃のラスト後”がオンエアを迎えるわけですが、皆さんに届く自信はありますか?

数年経過した後に作られた続編で、これだけ直結の作品ってなかなかないと思うんです。ただ、こういうドラマが日本に一つくらいあってもいいんじゃないかなって思っていて。そうじゃないと日本のドラマは定番のシリーズものや、似たフォーマットのものばかりになってしまうと思うので。

金城さんと僕が常日頃、世界中のいろいろな作品を巡って話している“物語のあり方”についての思いを詰め込みたいという一心でキャスト・スタッフ一丸となって作り上げました。前シリーズで幸運にも感じることができた“物語の力”と見てくださる視聴者の“見る力”を再び信じたいと思っています。

「BORDER」は、決して今の日本ドラマによくある王道の作り方はしていないので、じっくり腰を据えて見ていただきたいです。特に「BORDER」の連ドラを見てくださった皆さんの期待は、絶対に裏切らないものにしたいと思って作りました。

――最後に見どころをお願いします。

いろいろなドラマがあると思いますが、大切なのは核にいる主人公がどんな人間で、どんな生きざまをするのか、それをどうしても目撃したいと視聴者の皆様に思っていただけるかだと思うんです。

今回のドラマスペシャルは、小栗さん演じる石川安吾の濃密な物語であって、連ドラのラストは大きな話題になりましたし、おかげさまでいろいろなドラマ賞を頂けたんですけど、実は単なるセンセーショナリズムをやりたかったわけじゃなかったんです。

死者が見えることになってしまって、正義と悪の根源のようなところを突き詰めてしまった男が、どういう選択をしてこれからどうやって生きていこうとするかという生きざまの物語なんです。

スペシャルに関しては、ラストは単純にあれをやりたかったわけじゃなくて、あのシーンですらもこの主人公が通るべき、通過点でしかなかったんですというところが描かれております。

このスペシャルではそれを証明することができていますし、より濃密な味わい方ができるドラマになっていると思うので、あそこで止まらず、何としてもこれを目撃してほしい…というか、絶対に見てほしいです!

石川安吾役を生ききった、小栗旬さんのアカデミー賞級の演技をぜひご堪能いただきたいと思います。