実はこんなに違う、Acer製Win MRヘッドセットの製品版と開発者版を徹底比較:VR情報局
日本時間10月18日、マイクロソフトから「Windows 10 Fall Creators Update」がリリースされ、新機能がいくつか追加されました。そのなかの目玉は、なんと言っても「Windows Mixed Realtyヘッドセット」への正式対応でしょう。

これを受けて、Acerが先行して対応ヘッドセット「Acer Windows Mixed Reality Headset AH101」を発売しました。続いて富士通、HP、デル、レノボなどが対応製品を随時発売していく予定です。今回のVR情報局ではWindows Mixed Realty(Win MR)ヘッドセットの製品版で、どのような体験ができるのかをレポートします。なお筆者は以前「ついに到着、エイサーの開発者向けWin MRヘッドセットを自腹レビュー。導入の手軽さに好感触:VR情報局」でレポートしたとおり、「開発者限定 Acer Windows Mixed Reality Headset デベロッパーエディション」を購入しています。まずは開発者版と製品版の違いから見ていきましょう。

▲左が製品版、右が開発者版。この角度から見ると大きな違いはなさそうですが......

カラーリングや基本的なデザインコンセプトは製品版と開発者版で変わりはありません。ゴーグル部分も基本的には同じ金型からのパーツが使われているようです。大きく異なっているのは、イヤフォンジャック、ヘッドバンドの仕様です。

▲実はこのあたりにかなりの差が。左が製品版、右が開発者版です

イヤフォンジャックが従来はゴーグル直付けになっていましたが、製品版ではケーブルと一緒に横のやや後ろに回されました。ゴーグル直付けだとイヤフォンをつないだ際に、ケーブルが頬に触れがちでちょっと気になっていました。製品版ではそのような心配はありません。

▲そしてヘッドバンドもこの通り、見た目からして大きな差に。左が製品版、右が開発者版です

もうひとつの変更点がヘッドバンド。製品版はヘッドバンドの締め付け具合をダイヤルで調整可能で、また後頭部に当たる部分に柔らかいクッションが用意されました。長時間VR体験していても、快適な装着感が持続します。


▲製品版に付属するモーションコントローラー

そしてもっとも大きな違いは、製品版にはモーションコントローラーが付属していること。実は開発者版にはモーションコントローラーが付属していなかったんです。そのため「Xbox One Wired PC Controller」やキーボード、マウスで操作する必要がありました。

ちなみにWin MRヘッドセットに同梱されるコントローラーは、どのメーカーのものでもハードウェア的には同一。異なっているのはロゴだけです。


▲上面には、タッチパッド、サムスティック、メニューボタン、Windowsボタンが配置されています


▲背面にはトリガーボタン(人差し指で操作)、グラブボタン(中指で操作)が用意されています


▲ゴーグル前面に備え付けられた2つのRGBカメラでモーションコントローラーの白色LEDを検知し、その位置などを取得します


▲コントローラーのペアリングボタンは電池カバーのなかに用意されています

さて、セットアップの手順は開発者版と製品版で大きな差はありません。ただし表示される解説が製品版ではより詳細になりました。

トラッキングにアウトサイドイン方式を採用している(外部センサーが必要な)HTC ViveやOculus Riftはセンサーを設置する手間が面倒ですが、Win MRヘッドセットはインサイドアウト方式を採用しているため外部センサーの設置と接続はいりません。セットアップがお手軽なのがメリットです。


▲部屋のスペースは、約1.5×2メートルを確保することが推奨されています

なおセットアップでは、部屋の大きさの測定手順がちょっと変わりました。開発者版では壁を走査するようにゴーグルを持ってぐるりと回りましたが、製品版ではゴーグルをPCに向けたままで部屋の外周を歩きます。開発者版から製品版に買い替えた方はご注意ください。


▲チュートリアルでモーションコントローラーの使い方が案内されます

さて、今回は初めてWindows Mixed Realityヘッドセットでモーションコントローラーを使いましたが、Xboxコントローラーなどに比べてもやはり操作しやすく、両手がVR空間に登場するだけで没入感が高まります。

ただ個人的には、そろそろグローブ状のコントローラーが出てきてほしい気もします。すべての指でつかむ、つまむ操作ができれば、没入感マシマシになること間違いなしです。


▲開発者版よりも部屋がすっきりとしました

続いて、標準アプリとなる「複合現実ポータル」にも違いが。基本的な間取りこそ同じですが(家を模しているのです)、部屋が模様替えされました。特にシアタールームが広く、ゴージャスになっていますね。


▲部屋の片隅にウィンドウズロゴの入った紙袋が置いてあります

そして床に置いてある紙袋をクリックすると、なかからウィンドウが飛び出し、壁に貼り付きます。これらはWindows Mixed Realityヘッドセットのオススメコンテンツまたは特集ページで、クリックするとMicrosoft Storeのページが開かれる、という演出です。


▲「Halo Recruit」はイマイチ


▲でも、コルタナさんに会えたのはうれしかったです!

今回は筆者が期待していた「Halo Recruit」をインストールしてみました。
Microsoft Storeの説明ページには「Halo RecruitでHaloの仮想世界を垣間見よう。Windows Mixed Realityを使い、戦闘訓練を通じてHaloの世界、武器、キャラクターを体感しよう。入隊したばかりのUNSCの新兵となって恐るべきエイリアン兵の特徴と戦い方を学び、バーチャルリアリティーで表現されたHaloの世界に没入しよう。」と書かれています。

こうした文章から、Haloシリーズの体験版的なものかなと思ってプレイしてみましたが、基本的に移動せずにその場で撃ちまくるだけ。ちょっと肩透かしをくらいました。製品版のリリースを楽しみに待ちたいと思います。


▲Microsoft Storeホームの「Windows Mixed Realityで最高の体験を」から表示されるのは16本のみ


▲ですが、対応アプリはこれだけではありません。検索に「Mixed」と入力すると「Mixed Reality対応アプリとゲームはこちら」という項目が表示されます


▲そちらから結果画面に遷移すると、全タイトルが表示されます

記事執筆時(2017年10月27日13時47分時点)のタイトル数は合計49本。ほかのVRプラットフォームと比較すると物足りなさは否めません。

先日マイクロソフトはWin MRヘッドセットでSteam VR用コンテンツが利用可能になると発表しましたが、こちらが早く利用可能になることを望みます。またこの状態であれば、Win MRヘッドセットはSteam VRが対応してからゆっくり購入することをオススメします。

さて、今回「Acer Windows Mixed Reality Headset AH101」を試用して、VR体験にモーションコントローラーが必須であることを痛感したわけですが、開発者版を購入した筆者は非常に困っています。というのも、開発者版用に追加でコントローラーを購入するということができなさそうなためです。
実は開発者版を限定発売したAcerがモーションコントローラーのみの発売に向けて調整してきたのですが、現在生産の見通しが立たないとのこと。そのため「アプリを開発すべく開発者版を購入した方々が、モーションコントローラーでの動作確認ができない」という、非常に困った状況にあるのです。

開発者でもないのに開発者版を購入した筆者は自業自得的なところはあるでしょうが、開発者が製品版を再度買わなければ検証できないという状況はあんまりです。
Win MRヘッドセット対応コンテンツを増やすためにも、一刻も早くモーションコントローラーを単体発売するように、マイクロソフトには強く要望したいところです。