覚醒剤取締法違反(使用)容疑で逮捕、起訴された清水良太郎容疑者。このような事件があると、「二代目はねえ」というネガティブな感想がささやかれるのが世の常ですが、ファイナンシャルプランナー(FP)として多くの「二代目」を見てきた筆者からすると、二代目には「親が成功している子ども」という広義と、「成功した親と同じ道に進んだ子ども」という狭義の2つがあるように見受けられます。

「父に追いつき追い越せ」と努力する二代目

 まず、広義の二代目はほとんどの方が“しっかり”しています。先代が成した財を元に高等教育を受ける機会に恵まれているため、一般的な方に比べてチャンスも多く、総じて「成功しやすい」と言えるのです。実際、清水アキラさんの長男はパイロットという極めて難易度の高い職業に就いており、次男も事務所の社長としてその責務を果たしています。

 今回、逮捕された良太郎容疑者は三男で、父親と同じ道を歩んでいるので、前述の狭義の二代目ということになりますが、これとて大半の方は「父の背中に追いつけ追い越せ」と日々努力している方ばかりです。中小企業や職人の世界などで多くの二代目、三代目が活躍していることを見れば明白ではないでしょうか。

 その半面、良太郎容疑者のように“超ド級”の不祥事を起こすバカ息子(もしくは娘)がいるのも事実。その違いが生まれる、大きなポイントの一つは「価値感」ではないかと思います。FPとして、成功しているさまざまな初代を見るに自分で事業を興したり、ある分野で一流になったりしている方はどこか変わっています。彼らは仕事の考え方や人との付き合い方、金銭感覚など「独特の価値感」を持っていることが多いのですが、これらは、親から子へ伝播しやすいものなのです。

 多くの人は成長するにつれ、学校や勤務先などで異なった価値感と触れ合うことで矯正されていきますが、バカ息子は外の世界と触れ合うことなく“完全培養”され、初代の悪いところだけを引き継ぐことで、大きなトラブルを引き起こす人間になってしまうのではないでしょうか。

「自分の良いところは真似しないが、悪いところはすぐに真似る」

 二代目の育成に苦心している、とある初代の言葉はそのことを表しています。とはいえ、これらは「もしも親に責任があるとすれば」という程度の話で、実際のところは完全に自己責任。「自分の教育が悪かった」と涙ながらに訴えた清水アキラさんが、初代が持つ独特の破天荒さを持ち合わせ、息子がそこから多少の影響を受けたとしても、覚せい剤に手を出し、ましてや関係のない女性に薬物を強要する理由にはなりません。

 モノマネ界の巨匠を父に持ちながら、良いところを“モノマネ”できなかった良太郎容疑者は所詮、二流の二代目ということでしょう。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)