27日、韓国の潘基文前国連事務総長が自身の名前を冠して設立した団体に対し、韓国政府が100万ドルの支援を決めた事実が明らかになった。写真は韓国大統領府。

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2017年10月27日、韓国の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が自身の名前を冠して設立した団体に対し、韓国政府が100万ドル(約1億1000万円)の支援を決めた事実が明らかになった。これについて、韓国・SBSは「まだ開所式も行われていない民間団体に対し、正式な審査もなく国の資金を支援するものとして物議を醸すだろう」と伝えている。

SBSによると、韓国外交部傘下の国際交流財団の来年度予算案には「世界市民センターへの支援」として100万ドルが編成されている。予算の具体的な使い道や事業計画は記載されていない。それにもかかわらず、韓国政府の支援方式は海外経常移転となっている。つまり、条件や反対給付なく経費を支払うという意味だ。

同団体の正式名称は「世界市民のための潘基文センター」で、潘氏が今年8月にオーストリアのウィーンに設立した。SBSが取材したところ、同団体はオーストリアに協会として登録されているのみで、ホームページや事務所はなく、理事や職員も決まっていない状態だという。

これに関し、国際交流財団理事長は「具体的な内容は分からないが、ウィーンに本部を置き、そのほか数カ所に支部を設立すると聞いている」と明らかにした。しかし、国際交流財団の事業施行指針では、外国の団体や機関への支援が禁止されているという。これに対し、財団側は「外交部の要請があった」と説明。実際に康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が今年8月に経済副首相と面会し、協力を要請していたことも確認された。

しかし、国政監査や予算案に関する報道資料では潘基文センターに対する支援の内容は触れられていないという。外交部は「オーストリアやクウェート政府も支援を約束した」と明らかにし、「潘前総長の外交力を国家的に活用するための積極的な取り組みだ」と説明した。

最後にSBSは、一部で「康長官と潘前総長の人脈による“見返り予算”ではないか」と指摘する声が出ていることを紹介し、「来月始まる国会予算審議での激しい論争が予想される」と伝えている。

この報道に対し、韓国のネットユーザーからは「国際機関を作るためクウェート政府と共に支援する。それの何が問題なの?」」「韓国外交が目指すのは国際機関を通じた中堅国外交。国際機関に転換する機関に対し、いち早く影響力をアピールすることはとても重要だ」など支援に肯定的な意見が寄せられている。

また、「10年間も国連の事務総長を務めた人だ。あまり好きではないが、その経歴は無視できない」「世界に名前が知られている人は潘基文しかいない」「いくら嫌いでも潘基文の経歴は侮れない。彼の存在は韓国にとってプラスだよ」など、潘氏の経歴を「利用すべき」と主張する声も多い。

また、「日本も国際機関に多額の投資をすることで影響力を強めた。国際海洋法裁判所や国際司法裁判所における日本の影響力はすごい。韓国は投資をするのが遅過ぎたんだよ。国際機関に転換する機関への投資は未来を見据えた行動だ」「日本が国際機関にどれだけの投資をしているか調べてみて。外交力、影響力を強化するためには必要なこと」など日本と比較する声も見られた。

一方で「国民の税金の使用指針には透明性と公正性が最も必要なのに」「やっぱり政府は信じられない」「まさか文在寅(ムン・ジェイン)政府も弾劾?」など不透明さに懸念を示す声も寄せられている。(翻訳・編集/堂本)