生命線の堅守の中心を担う13歳差のCBコンビ。お互いをリスペクトし、良い刺激を与え合っている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 福岡は現在、熾烈なJ1自動昇格争いの渦中にある。38試合終了時点で勝点68の2位につけるものの、3位の長崎とは勝点差なし(得失点差で福岡が勝る)。4位の名古屋とは同2差、5位の東京Vとは同5差で一気にひっくり返される可能性も否めない。
 
 今季リーグ戦も残すところ4試合なのだが、37節の大分戦は1-1のドロー、38節の千葉戦は0-1で敗戦と勢いは萎み気味。さらに対戦相手が状況をより難しくしている。
 
 39節の東京V(5位)、40節の湘南(1位)、41節の松本(7位)、42節の岡山(11位)と上位対決が3試合も組まれている。加えて、東京Vと松本は昇格プレーオフ進出へ意気軒高だろう。
 
 難局を突破するために必要なのが、「失点減」だ。井原正巳監督はベースとなる戦い方を「コンパクトな守備組織を崩さずに、相手に気持ち良くビルドアップさせない」と話していたが、福岡は30節の水戸戦以来、クリーンシートはゼロ。より堅固な守りを築けるかどうかが鍵を握るのは間違いない。
 
 そのためにより奮起を促したいのが岩下敬輔と冨安健洋の両CBだ。先ごろ行なった対談ではお互いにリスペクトを欠かさない姿が垣間見えたが、「(加入前に)昨年のすべての失点を映像で確認させてもらった。同じような失点は減らせている」との岩下のコメントも印象的だった。
 
「失点に対するアプローチの仕方を全員で考えて、チーム全体での対策を立てるようになった。『1試合1失点以下』という数字は立派だと思う。ただ、今まで以上に気を付けないと、2位でフィニッシュできない可能性もある」(岩下)
 
「良好なチャレンジ&カバーをできている」とも話していたが、経験豊富な岩下が期待を寄せるのが11月5日で19歳を迎える冨安だ。「ボールホルダーの位置を確認して、危険地帯を察知して先に動いてくれる。カバーエリアも広いし、U-20日本代表で世界を相手にしたのも彼の成長を促進させた」という。
 
 当の冨安も「水際で身体を張る、という姿勢が勝利につながる」と泥を被るのを厭わない。加えて、「敬輔さんの選択肢の多さを生かしながら、自分の良さも十分に発揮できるように」とCB間での距離感やバランスを気にしながら相手と対峙している。
 
 もちろん、サッカーは得点を奪えなければ勝ちを掴めない競技だ。しかし、いくらゴールを陥れようとも失点が増えては引き分けや敗戦につながってしまう。何より、2015年の井原監督就任当初から「守備」に力を入れてきた。
 
 現在、33失点は湘南(同31)に次ぐリーグ2位の少なさを誇る。これ以上、その数を増やさなければ、きっとJ1復帰の道は開けるはずだ。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)