生まれた子供は180人以上!?仁徳の英雄・大国主命は色好みなイケメンでもあった

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前回、大国主命が根の国を支配するスサノオの娘スセリ姫と恋仲になったものの、それが面白くないスサノオに意地悪をされますが、スセリ姫との連携でそれを退ける話を紹介しました。

本項では、大国主命がその名の通り、偉大なる国の主と呼ばれる英雄になる過程と逸話を紹介していきます。

スサノオに認められ、ついに地上の王様に!

根の国脱出を計画した大国主命とスセリ姫は、スサノオが目を覚ましても追いかけて来られないよう、室(むろ)を支える垂木(たるき)にスサノオの髪を結び付け、出入り口も大岩で塞ぎます。しかし、うっかり琴を鳴らしたためにスサノオが飛び起きてしまい、そのはずみで室を破壊した彼が髪をほどいている間に逃げます。

二人は地上と地底の境目まで追いかけられますが、スサノオの態度は今までとは違いました。

「お前にこの武器をあげるから、悪い兄弟達を懲らしめろ。我が娘を后として、天上まで届くような宮殿に住まう偉大な神様として、地上を治めるのだぞ!」

スサノオに認めて貰った大国主命とスセリ姫は、兄弟神を降参させて出雲を拠点とした大国を地上に築きます。“大国主”の名前は、この時に誕生したのです。

名前のバリエーションいっぱい

出雲を平定して王になった大国主命は、持ち前の仁徳で多くの神様を引き付け、順調に政治を進めます。偉大な神様となった大国主命は名前が多かったことでも有名で、元の名をオオナムジ(大穴牟遅。大地の貴人)、根の国でスサノオに付けられた別名を葦原醜男(不細工男ないしはそれを逆手に取った強き者の意)と言いました。

他にも、スサノオから譲られた武器で勇士としての地位も確立して八千矛神(ヤチホコノカミ)と名乗ったり、現世を治める神として顕国魂神(ウツシクニタマノカミ)と名乗るなど、大国主命はオールマイティな神様になっていました。

浮気な大国主命にスセリ姫もカンカン!

当時は男性が妻の家を訪ねる通い婚で、大国主命はあちらこちらの美女の元を訪れていました。あっちでもこっちでもお嫁さんにして、各地で生まれた大国主命の子どもは180人以上!現代の少子化の真逆をいく大国主命が治める地上は大繁栄です。

しかし、そうした一夫多妻において問題になるのが女の争いです。因幡のヤガミ姫との間に子供をもうけ、現在の北陸地方、越(こし)の国に住むヌナカワ姫にプロポーズの歌を贈るなど、妻問いという名の美女遍歴を繰り返す大国主命に、正室のスセリ姫は業を煮やしていたのです。

あのスサノオが父親なのだから性格も勝気なスセリ姫は猛烈に嫉妬深い性格でした。彼女にいじめられたヤガミヒメは、大国主命に子供を託して因幡に逃げだす始末。夫を責めずに浮気相手を攻撃する点では、まだ愛情があるのかもしれませんが、ターゲットにされた女性はたまりませんね。

キレた妻の怒りを歌で鎮める

そんな正妻の心境を思いやったのか、大国主命は大和(奈良県)へ行くための馬に乗りかけた状態で、彼女のことを思う歌を贈ります。スセリ姫もまた『大国主命以外に我が夫はいない』と気丈な所を見せ、夫への愛を込めた歌を贈るのです。

すると、大国主命もスセリ姫への思いが募って彼女を抱き締めて盃を交わし、改めて愛を誓い合ったのでした。ここでは大国主命と姫君達が交わした歌は割愛しますが、恋人同士の語らい、夫婦の情愛が細やかに歌い込まれているので、関心のある方はぜひ一読をば。

このように幸せに満ち溢れた大国主命でしたが、その近辺には徐々に暗雲が立ち込めつつありました。次回は、大国主命と出雲に降りかかった悲劇について語ります。