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ドイチェ ルフトハンザAG(以下、ルフトハンザ グループ)は10月10日、運航乗務員が所属する労働組合「Vereinigung Cockpit (VC)」との労使交渉について、これまで保留とされてきた事案に関して新たな労働協約を締結した。今回の締結は3月に妥結した労働協約の合意に基づくもので、組合員による投票の後に承認となる。

内容としては、労働協約の枠組みおよび報酬に関する新たな合意の他、最短でも2022年6月までが対象となる年金・経過的給付に関する合意も含まれている。今回の長期的な包括的労働協約により、長期の安定した労使関係が実現する見通しとなっている。将来的に実施される賃上げに先立って、構造的・全体的なコスト削減により、運航乗務員の人件費15%が削減される。

また、ルフトハンザ ドイツ航空(以下、ルフトハンザ)、ルフトハンザカーゴ、ジャーマンウイングスにおいて、新人パイロット(専門学校を卒業し操縦ライセンスを持っているが、大きな旅客機は操縦できないパイロット)の雇用も認められる。

ルフトハンザ グループ取締役で人事・法務を統括するベッティーナ・フォルケンス氏は、「今回の合意によって、VCとの間に新たな社会的パートナーシップの基礎が構築されました。我々は2022年まで、共に包括的労働協約の平和を維持していく所存です。またパイロットのキャリア展望が広がり、当社の競争力も強化につながるでしょう」とコメントしている。

年金の枠組みは、地上職員および客室乗務員組合との合意内容に則し、確定給付型から確定拠出型へと変更。結果として年金債務は数億ユーロ単位で減少し、2017年の調整後支払利息・税金控除前利益(EBIT)も、数億ユーロ単位で大幅に改善する見通しとなっている。運航乗務員の老齢年金は今後も継続とされ、さらに任意拠出金を上積みすることも可能。

また、現在の経過的給付の枠組みは基本的に維持されるが、ルフトハンザ旅客サービス部門所属パイロットの平均退職年齢は、2021年までに段階的に60歳へと引き上げる。これは、ルフトハンザ カーゴ、ジャーマンウイングスの現行退職年齢と同じ規定となる。また、障害により乗務不能となった場合の補償についてのパイロットの権利は継続する。

今回の協約条件では2022年末まで、ルフトハンザ、ルフトハンザ カーゴ、ジャーマンウイングスのパイロットが最小限でも325機の運航を担当することが定められており、新たなキャリアの展望が開ける。700人を超える新人パイロットも雇用し、将来的には少なくとも600人分の機長職が創出される見通しとなっている。

ルフトハンザ、ルフトハンザカーゴ、ジャーマンウイングスの運航乗務員は、2012年5月から2022年6月までの期間中、合計10.3%の段階的な賃上げが実施され、最大で給料1.8カ月分の一時金が支給される。今後採用される従業員の初任給と最終的な給与については、現在の基準が維持される。現行の従業員給料体にも変更はないが、賃上げを抑制することでコスト削減を実現する。また、生産性向上のための追加対策に関しても合意している。