カナダのオンタリオ州で南京大虐殺記念日を設ける動きが本格化した。州議会が26日、香港出身のスー・ウォン議員の動議を可決した。写真は南京大虐殺記念館。

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カナダのオンタリオ州で南京大虐殺記念日を設ける動きが本格化した。州議会が26日、香港出身のスー・ウォン(黄素梅)議員の提出した動議を可決した。今後、法的拘束力を持つ議案としての採決を目指すという。新華社が伝えた。

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ウォン議員は、「オンタリオ州では第二次世界大戦中に日本がアジアで行った暴虐行為を知る人が少なく、特に若い華人系住民はよく知らない」として、「南京大虐殺記念日」を設ける動きを続けてきた。また、「2017年は南京大虐殺発生80周年として、記念日を設けることはとりわけ重要」と主張している。

州議会で動議として議決されても法的拘束力はないが、ウォン議員によると、州議会の公的な見解を示したことになる。ウォン議員は法的拘束力を持つ議案としての可決も目指している。新華社は、「これまでは日本の国会議員が妨害したため、議案は審議の対象になっていない」と報じた。

「南京大虐殺」とは、1937年に日本が中華民国の首都だった南京を占領した際に、中国兵捕虜や敗残兵、便衣兵、その他の一般住民を殺害したとされる事件。南京陥落は12月13日で、オンタリオ州議会が可決した動議も同日を「南京大虐殺記念日」としている。

犠牲者数について中国は30万人以上と主張しているが、日本の研究者はさまざまな説を発表しており「虐殺はなかった」との主張もある。日本では、虐殺は事実として証明されていないとの考えなどを背景として「南京事件」と呼ぶことも多い。

日本政府は、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」とした上で、「被害者の具体的人数については諸説があり、政府としての認定は困難」としている。ユネスコは2015年、中国の申請を受け入れ「南京虐殺の記録」を記憶遺産に登録した。

オンタリオ州はカナダ中東部に位置し、人口の3分の1が集中する同国の政治・経済の中心。代表的都市としては首都のオタワや人口最大のトロントがある。(翻訳・編集/如月隼人)