報告書の作成や伝票整理といった作業はAIのほうが有能。単純作業で“仕事をしたふり”をしてきた人には厳しい時代がやってきた

写真拡大

 人工知能(AI)の進化によって仕事を奪われる――。そんな話を聞いたことがある人も多いだろう。すでに、「ロボットが接客する世界初のホテル」や「ドバイ警察がロボコップを正式採用」など象徴的な事例はあるが、我々の職場にも「AI化」は日々忍び寄っているのだ。

◆人間以上の能力を持つAIが職場にやってきた!

 プログラムを生業とするSEとして、AIの脅威をまざまざと見せつけられているという大石哲也さん(仮名・47歳)。

「プログラムの現場にはすでにAIが導入されていて、例えばシステムのテストなどを担当しています。テストというのは、結構、高度な作業だったはずなんですが、AIはあっさりやってのけるうえに、人間より圧倒的にスピードが速いのだから恐ろしいですよ」

 社内全体でも、伝票整理などの定型作業をAIで自動化する動きが現実味を帯びているという。

「『ビズロボ』というサービスがありまして、その処理速度は人間の10倍以上、それなのにコストは1人分くらいとか。人を2人減らしてサービスを導入すればお釣りがくるんです。人事や総務の人間は目を輝かせていますよ」

 そしてついに、先月から早期退職者の募集が始まったという。

「普通は50歳以上が対象になるんですが、今回は40歳以上から。しかも人数上限なし。『派手にやるもんだなあ』と唖然としますね」

 皮肉なことに、導入された「ビズロボ」の調整作業などは、リストラ候補の人々が行うという。

「結局、作業内容を把握している担当者が、自社のフォーマットに沿って調整するしかありませんよね。でもビズロボが稼働し始めたら、その担当者の仕事はなくなってしまうわけで、その先どうするのかと。自分で自分の首を絞めているようで、矛盾を感じますね」

 どうにか会社に残るためには、自分の固定客をつくったり、交渉やプロジェクト管理などの能力をアピールしなくては――と厳しい表情の大石さん。

「最近は、ガラにもなく他部署にご機嫌伺いに行ったりしてます。『困ったことあったら声掛けてくださいね』なんてね」

― AI時代に[生き残る人・消える人]の境界線 ―