米首都ワシントンのホワイトハウスで「オピオイド・クライシス(鎮痛剤危機)」について演説するドナルド・トランプ米大統領(2017年10月26日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、「オピオイド・クライシス(鎮痛剤危機)」を同国の公衆衛生上の非常事態と宣言した。米国ではオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取などで1日平均150人以上の命が奪われているとされており、トランプ氏は対策を強化する姿勢を示した。

 トランプ氏は、すでに米食品医薬品局(FDA)が「特に危険性の高いオピオイド」1種の市場からの即時回収を要請していると述べたが、そのオピオイドの名称は明らかにしなかった。

 またトランプ氏は「わが国民を苦しめてきた人々や企業に対し、大きな訴訟」が複数起こされる可能性も示唆した。さらに11月に予定されている中国訪問の際、中国で生産されている合成オピオイド「フェンタニル」の問題について、習近平(Xi Jinping)国家主席と協議するとも述べた。

 1月の大統領就任以来、トランプ氏は「パーコセット(Percocet)」、「オキシコンチン(OxyContin)」、ヘロイン、フェンタニルなどのオピオイドの過剰摂取問題への取り組みを強化するため、「国家非常事態」を宣言する方針だと繰り返し表明していた。

 ただトランプ氏が26日に発表したのは「国家非常事態」宣言ではなく「公衆衛生上の非常事態」宣言となった。

 国家非常事態が宣言されると、各州は連邦政府の災害救済基金を利用することが可能となる。政府高官らによると、オピオイド中毒のまん延など長期的取り組みが必要な緊急事態には公衆衛生上の非常事態宣言の方が適切だという。

 今回の宣言によってオピオイド危機への取り組みに使われる連邦政府の資金が増えることはない。複数の米政府当局者は、政府として議会に関連予算の増額を求めていく予定だと話している。
【翻訳編集】AFPBB News