どうして食欲が止まらないのか不思議でしたが…

写真拡大

【図表を見る】レプチン抵抗性形成のメカニズム

肥満の人は食欲が抑えられずやせにくい」という説がありますが、この仕組みがついに基礎生物学研究所により明らかとなりました。「PTPRJ」という酵素分子が摂食中枢に作用するレプチンの働きを抑え、食欲を増進させることが9月14日に英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。このPTPRJが、肥満の人の食欲を左右していたのです。

 

■ 太っている人の食欲の仕組みとPTPRJ

人は食べすぎると脂肪が増えて太ってしまいます。レプチンは脂肪細胞から放出されて食欲を抑えますので、理屈で言えば太れば太るほど、食べたい気持ちはなくなるはずです。でも、不思議なことに、太っている人の食欲は旺盛なままです。

じつは肥満の人がより多く持つPTPRJという酵素が、レプチンの働きを抑え、食欲が止まらなくなる悪循環に陥いることが分かったのです。

 

■ PTPRJは食欲だけでなく糖尿病にも関係

同研究所では、PTPRJとインスリンの分泌にも関係があることも明らかにしています。肥満と糖尿病に悩む人は大変多くなっていますが、PTPRJの研究がさらに進むことで、どちらも改善できるようになるかもしれません。

PTPRJを阻害する薬剤は肥満の治療薬となりうることが判りました。PTPRJの活性を阻害することによってレプチン受容体に対する抑制が解除され、レプチン抵抗性が改善するということですね。また、PTPRJがインスリンの働きを抑制していることもすでに明らかになっています。

つまり、PTPRJを阻害する薬剤が開発されれば、糖尿病とともに肥満を改善する治療薬になりうるとのこと。これは大いに期待したいところですね! とはいえ、いつになるかわからないので、まずは、少しずつでもよいので体重を減らし、PTPRJの発現を抑えるようにしましょう。