アイスランド・レイキャビクの議会議事堂(2017年10月24日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】犯罪者更生の手段か、あるいはただのえこひいきか──アイスランドで殺人の罪を犯した元受刑者が弁護士になったり小児性愛者が判事になったりすることが可能ないわゆる「名誉回復」と呼ばれる法的手続きをめぐり、同国内で議論が活発化し政府に対しては批判が高まっている。

「名誉回復」は1940年から行われている法的措置で、申請し認められても犯罪歴が消されたり赦免されたりすることはないが、元受刑者の市民権が回復され、それによって社会復帰への足掛かりになるとされている。

 しかし、人口33万5000人の小さな島国アイスランドの国民の多くはこの法的措置を時代遅れで不公平なものと感じており、国内政治に長くはびこるえこひいきの一例と捉えている。

 この法的措置に反発が出始めたのは、少なくとも4人の少女に性的暴行を加えた罪で2007年に禁錮3年の判決を受けた元弁護士が、昨年9月に「名誉回復」されていたことが明らかになったことなどがきっかけだった。

 同国では他にも、元国際的なサッカー選手から弁護士に転身した男性が、殺人で2001年に禁錮16年の判決を下されたが、その後、「名誉回復」が認められ弁護士資格を取り戻している。

「名誉回復」を申請する際にはある程度社会的地位のある人物2人からの推薦状を提出する必要があり、大統領の権限で承認される。

 法務省によると、アイスランドではここ20年で86人の元受刑者が「名誉回復」を申請し、そのうち32人が認められたという。

 同国では、禁錮4月以上の有罪判決を受けた受刑者は被選挙権を剥奪され、国営企業の役員になることや弁護士業務を行うことなども禁じられるという。
【翻訳編集】AFPBB News