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 日野自動車は大型トラックの「日野プロフィア」にリコールをかけた。フロントハブの不良で火災55件発生。ハブとはタイヤやブレーキを取り付ける部分で、車にとっては重要保安部品だ。

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 ハブは外から見える部分ではタイヤを取り付ける部品であり、ブレーキを取り付けてある部品だ。これが100km/h以上で数時間回り続けると思うと、心もとない大きさだが、普段気に留める人も少ないのが現実だ。このハブの中に、タイヤを取り付けた状態で回り続ける軸受けがある。そこのベアリングの不良であると言う。

 正確にはベアリングにかける圧力を指定したマニュアルの間違いのようで、整備で圧力をかけすぎると、破たんするようだ。火災に至っている。これは危険だ。

 過去、三菱自動車の大型トラックのハブの不良では、設計強度が不足したまま使用したので破損してしまい、犠牲者が出る結果となってしまった。それを契機にリコールを届け出るメーカーが増えたのは良いのだが、届け出件数は増える一方だ。それほど間違いが多いことは、神戸製鋼、日産自動車などの不祥事と関連付けて理解しておく必要があろう。

 このリコールの本質は「品質管理」だが、EV・AIなどで、自動車を「家電」のようにデザインすることが流行のようになっているものの、現実は自動車は「走る」ので現在の保安基準を逸脱することは許されない。これがIT産業で育ってきた人材との認識の違いになるかもしれないが、社会的には絶対の「堅持されるべき制限」だ。

 EV・AI化で車内がリビングのような配置を想像されているが、これは運転手を除いてはガソリン車でも実現可能であり、実現してきている。ミニバンの内装でインターネットと繋いだ機器を増やし、リビングや事務所にいると同等の配置を考えれば、現在のガソリン車でも実現可能なのだ。違いは「運転手」のみだ。

 日野自動車のリコール問題はEVになってもAIになっても同じことで、製造方法、整備など何も変わらない。重要保安部品の取り扱いは、自動車の基礎として変わらない。いや変わってはいけない。この品質保証の概念がIT産業の当事者との認識違いになるようだ。テスラとトヨタの違いとも言える。