遠藤の鋭いクロスがオウンゴールを誘い、これが決勝点に。「速いボールを送ったら、何か起こるかなと思って」と振り返る。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

[天皇杯準々決勝]横浜 1-0 磐田/10月25日/三ツ沢
 
 まるでリプレーを見ているかのようだった。
 
 磐田戦の4日前、横浜はリーグ戦(30節)で首位・鹿島に3-2で勝利を収める。決勝点を挙げたのは途中出場の遠藤渓太だ。ペナルティエリア内で山本修斗を鮮やかなターンでかわし、右足を振り抜く。放たれたボールはGK曽ケ端準の左手を弾いて、CB昌子源の足に当たってゴールイン。当初は「オウンゴール」と発表されたが、後に遠藤のゴールに訂正された。
 
 そして磐田戦の81分。ダビド・バブンスキーのロングパスを右サイドで受けた遠藤が、中に折り返す。これを磐田のGK三浦龍輝が必死にセーブするも、こぼれ球をクリアしに戻ったCB高橋祥平が自陣ゴールに押し込んでしまう。
 
 シュートとクロスの違いはあるが、自らが蹴り込んだボールが敵のGK→DFを経由して、チームに得点をもたらす。磐田戦のそれは「よく見えなかったんですけど、さすがに今回はオウンゴールかなと」遠藤自身も自分の得点にカウントされないと承知していたが、それでも公式戦2試合連続で勝負を決する大仕事をやってのけたのは事実だ。
 
 敵のオウンゴールを誘発した磐田戦のクロスも、偶然の産物とは言い切れない。中でスタンバイするCFの伊藤翔を狙ってはいたが、「速いボールを送ったら、ピッチも(雨で)濡れていたし、何か起こるかなと思って」と振り返る。
 
 9月30日の28節・G大阪戦では、終了間際に値千金の決勝ゴールを挙げたように、ここ最近の活躍ぶりには目を見張るものがある。エース齋藤学が長期離脱中のなか、19歳のアタッカーは着実に実戦を積み、今や計算できる戦力のひとりとなった。
 
「前(攻撃的なポジション)で出ている以上、ゴールに絡むプレーはしたいし、自信というよりも、主体的にプレーできるようになってきた。今季は浮き沈みがあったけど、また良い時の自分に戻ってこれたのかなと思っています」
 
 まさに上り調子と言ったところだが、「でも、悪いところは改善していかないとダメ。良い流れだからといって、それに甘んじていたら、また誰かに“喰われる”。集中してやり続けたい」と慢心はない。
 
 中町公祐や金井貢史からは「もっとできるだろ」と指摘されたという。スタジアムに足を運んでいた齋藤からは「ダメダメだったな」と言われたようだが、それらすべては期待されているからこその苦言なのだろう。
 
 大きな飛躍を遂げようとしているプロ2年目の今季、「しっかりと自分を向き合って」、ひとつでも多くの勝利に貢献したい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【天皇杯準々決勝PHOTO】横浜1-0磐田|磐田は中村俊輔らを中心に奮闘するもまさかの・・