村田諒太【写真:Getty Images】

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「ムラタはいかほどのものなのか?」…米専門紙記者が分析した新王者の課題

 ボクシングのWBA世界ミドル級で新王者に輝いた村田諒太(帝拳)。5月に疑惑の判定で敗れたアッサン・エンダム(フランス)をタイトルマッチで破り、7回終了後TKO勝ちを飾った。米メディアは新王者となった「MURATA」を、先週のボクシング界での「最大の勝利者」と高く評価する一方、課題も指摘している。

「ウィークエンド・レビュー」と特集したのは、米専門メディア「ボクシングシーン.com」だ。先週のボクシング界最大のイベントとなった村田―エンダム戦を「人気を誇る日本人ファイターの救済劇」と評する一方、「最大の勝利者」として「Ryota Murata」の名前を挙げている。

 前回対戦は不可解な判定で敗戦。ボクシング界で物議を醸し、エンダム勝利の採点を下したジャッジ2人が半年間の停止処分を受けるという大騒動に発展していた。リベンジマッチを制覇した村田について、記事では「週末で最も感銘的なパフォーマンス」「明らかにリベンジへの執念に取り憑かれていた」と鬼気迫る戦いぶりを称賛している。

 一方で「ムラタはミドル級の世界最高の実力者の中に身を投じることになった。それでは、彼はいかほどのものなのか?」と記し、猛者揃いの階級での現在地にスポットライトを当てている。

「彼は160パウンドの一定のグループ(ビリー・ジョー・ソーンダース、デービッド・レミュー)には対抗できると私は信じている。しかし、次のレベル(ゲンナジー・ゴロフキン、カネロ・アルバレス、ダニエル・ジェイコブス、ジャーモール・チャーロ)相手には困難に陥るかもしれない」

「どんな相手の人生を惨めにする」も…厳しい指摘「例外的な速さ、パワーはない」

 執筆したマイケル・ローゼンタール記者は、WBO世界王者のソーンダース、そして、ソーンダースと12月にタイトルマッチを戦う同級1位のレミューと同等としながら、WBA世界スーパー王者のゴロフキン、9月にゴロフキンと引き分けたアルバレス、WBC同級1位のチャーロという実力者には苦戦する可能性があると分析している。

「ムラタはより訓練され、耐久性を持つ、どんな相手の人生を惨めなものにする特徴を持っている」と村田の正統派スタイルを評価する一方で「彼にはスペシャルなクオリティがないように見える。例外的な速さ、パワーの持ち主ではない。ダイナミックではない。彼はとても優秀なファイターに過ぎない。私にはそう見える」と課題を指摘している。

 ただ、同記者は「彼は私が間違っていたと証明する機会を手にするだろう」と今後に評価を覆す戦いを期待。「彼はミドル級のトップ選手にとっては魅力のある相手だ。彼にはいい知名度がある。ベルトを保持している。金メダルも持っているし、魅力がある」と評している。

 村田自身もより強いミドル級の王者との死闘を心待ちにしている。注目されるのは、ゴロフキンとの頂上決戦も含めたマッチメーク。厳しい米メディアの視線を跳ね除け、最強王者として君臨できるか。日本のファンは村田の底力を信じている。