11/1にデビューシングルが発売となる崎山つばさ/撮影=広ミノル

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舞台「ノラガミ- 神と願い-」(2016年 優流役)、「錆色のアーマ」(2017年 不如帰役)など舞台を中心に活躍する崎山つばさが11月1日(水)、「月花夜」で歌手デビューを果たす。これまでもミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(2015年〜 石切丸役)等で艶やかな歌声を披露してきた崎山。デビュー曲「月花夜」も桜menの和楽器隊とつややかな崎山の声が融合された美しい楽曲に仕上がっている。また本楽曲は、2017年8月〜9月に上演された舞台「煉獄に笑う」の劇中歌。「千本桜」の作者で有名な“黒うさ”が作詞・作曲という「月花夜」について、世界観や収録裏話、またカップリングの「君の隣へ」など、デビューシングルについてまるっと直撃!

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■ 歌が得意なわけでは…

――歌手デビューおめでとうございます! まずは、デビューにあたっての率直な感想を教えてください。

「まさか“崎山つばさ”としてCDを出すとは思っていなかったので…。喜びもあったし、やるならやってやろう!って覚悟も決まりましたが、一番は“驚き”ですね。いまだに信じられないくらい」

──もともとアーティスト活動に対する興味はあったんですか?

「挑戦できることがあれば何でも挑戦したいと思っていましたけど、歌が得意なわけでは決してないんです。歌に対する思いはありましたが、“これ、俺の歌なんだぜ”って自信を持って人に言えないというか(笑)」

──音楽自体はよく聴かれていたんですか?

「はい。洋楽、邦楽、バラードもアップテンポも何でも聴きます。僕、いろいろなプレイリストを作っているんです。例えば“電車用”“春用”“夏用”とか。帰り道、家、お風呂の中でも聴きますし、音楽と触れ合う時間は長いです」

──出演する舞台でも数々の歌を歌われてきましたし、お話を聞いていると歌手デビューは自然な流れのような気がしますが…。

「いやぁ(笑)。聴くのと実際に歌うのは違いますね。もともと舞台『煉獄に笑う』の出演は前々から決まっていたんですけど、『そこで劇中歌を歌うことになるんだけど、そのまま崎山つばさとしてCDを出そうという話になっている』と聞いたときは、そのまま硬直してしまったくらい(苦笑)。それくらい僕にとって歌は遠いところにあったものだったんです。ただそれをやることになったのは、何か意味があることなんだろうなとも思っています」

■ 次に進めるような曲

──実際に「煉獄に笑う」の舞台で「月花夜」が流れてきたときはどういう気分でした?

「僕自身もいつ流れるのかなって思ってたんですけど、稽古のときに“ここで崎山つばさの1stシングルを流すから”って言われて。でもそこって僕が出ないシーンなんですよ。それが逆によくて(笑)。あからさまに僕が出るシーンで流れてきたら“崎山つばさが過ぎる”というか(笑)。自然に使ってもらいたいなと思っていたら、まさにそういう形で演出していただけて。本番の時は袖で(鈴木)拡樹くんを見ながら聴いていました」

──鈴木拡樹さんとは歌手デビューについてのお話はしました?

「その稽古のときにも拡樹くんがいたので、ちらっと話はしました。でも『CDちょうだい』って言われたくらいですかね(笑)。実は、共演者で僕がこの曲を歌っていると気づいた人は少なかったんですよ。“流すから”という説明のあった稽古の日にいた方はもちろん知っていましたけど、そのほかの方からは本番始まってしばらく経ってから“人づてに聞いて”みたいなことが多かったんです。僕も僕であえて言うことはなかったんですが、それにしても気づかれないので内心“もっと気づいて!”と思いながら稽古を終えたという(笑)」

──でも自分からは言わないと(笑)。

「言わないです(笑)。やっぱり違うんですかね。話す声とは」

──でも、お客さんは耳にした瞬間にすぐに気が付かれた方は多いんじゃないですか?

「そうですね。いろいろなところで僕の声を聴いてくださっていることもあるので、割とすんなり気が付かれた方が多くて、感想もいただけて新鮮でした。声は唯一無二のものだと思うので、それを良いと言っていただけるのはうれしいですね」

──もうすでに様々な方が聴いているかと思いますが、改めてデビュー曲の『月花夜』について、どんな曲になっているのでしょうか。

「歌詞を読んでいただいても分かると思いますが、切ない曲になっています。でも、どこか前向きになれるような、次に進めるような曲なのかなと。もう(作詞作曲の)黒うさワールド全開の曲になってます! ずっと前から『千本桜』も聴いていたので、まさか自分の曲を書いてくれるとはと、とてもうれしかったですね。黒うささんとはまだお会いできてないんですが、いつか直接お礼が言いたいです」

■ カップリング「君の隣へ」も“和”に

──「月花夜」には崎山さん自身のアイディアも詰め込まれているのでしょうか?

「レコーディング前に、舞台『煉獄に笑う』の主題歌を担当されていた和楽器バンドさんのライブを見させていただいたんですが、その時にいろいろ感じたことがあって。そのときのライブで感じたことを思い出したながら、歌い方、世界観の出し方を自分なりに研究して、それを提示しました。出だし、落ちサビの歌い方とか」

──和楽器バンドのライブで感じたことが大きかったんですね。

「僕なんかが言うのもあれですけど、素晴らしすぎて同じ舞台で流れるのが申し訳なくなるくらい(苦笑)。本当に勉強になりました。CDで聴くのと生で聴くのとでは全然違いますし、『月花夜』ができるにあたって大きな影響があったのかなと思います」

──今回は“桜men”とのコラボ。こちらも和楽器のプロが集まったユニットですが、レコーディング前にお話などされたんでしょうか?

「ミュージックビデオの撮影のときが“初めまして”だったんですけど、皆さんすごく気さくな方で、初めてが多かった僕には本当に心強い存在でした。その時にそれぞれ、太鼓、尺八、津軽三味線、箏と教えてもらったんですけど、全然できなかったです(笑)。尺八に関しては、音すら出なくて。その道何十年という方たちなので、そりゃあ1日でできるわけないとは思っていましたけど、ここまでできないのか!と(笑)。より有難いなぁと思いましたね」

──その模様は「月花夜(MAKING VIDEO盤)」に?

「多分見られると思いますよ。僕が楽器を練習している姿はさておき(笑)、それを見ることでこの曲がどう作られたかということが分かると思うので、ぜひ見てもらいたいです」

■ “歌”への向き合い方

──バックには和楽器隊の“桜men”が参加され、アーティスト写真を見ても艶やかな“和”の印象の楽曲だなと思うのですが。そんな『月花夜』に関連して、月、花、夜、それぞれ思い浮かぶイメージってどんなものですか?

「えっ!? 唐突ですね(笑)。なんだろうな〜。月は…宇宙?(笑) いや、うさぎかな。黒うささんが書いてくださっていますしね。花ねぇ…。ミュージックビデオの時もそうだったんですけど、曲を聴いて思い浮かんだ情景が紅葉だったんですよね。秋の夜というか。ちょっと涼しくなって、寂しくなる季節なのかなと思ってます。なので、花は紅葉。夜は…やっぱり秋の夜。リリースも秋ですし、一番好きな季節です」

──唐突な質問すみません(笑)。MVの話も出てところで、カップリング「君の隣へ」についても。こちらはどんな世界観なのでしょうか?

「『月花夜』との共通点は和ですね。でも『月花夜』とは違う雰囲気になっていて、一言でいうと和とロックの融合みたいな感じ。あまり聴いたことのない曲調になっているかと思います。『月花夜』と歌い方もだいぶ違うので、その差を見せることにも挑戦しました。なかなか難しいですけどね(笑)」

──差というと、崎山さんは舞台でも“歌う”ことが多いですが、役者として歌うのと“歌手”として歌うのでは、向き合い方は違いますか?

「…別ですねぇ。役作りとはまた違うんです。向き合うというより、掴もうとする作業が多いのかもしれません。例えば“ここはこういう風に歌いたい”とか、“こういう風に強弱を出したい”とか…自分が挑戦したいことを掴もうとする作業が多くて。あと舞台では物語が進んでいく中で歌ったりするので、その世界にすぐに入れるんですけど、自分の歌となると、前奏を聴いてスイッチを入れるみたいな感覚というか。徐々にではなく、パッと曲の世界に入る感じで」

──逆に言えば前奏を聴いたら、アーティスト・崎山つばさのスイッチが自然と入る感じですか。

「そうですね。でも僕のなかではアーティストという感覚があまりないんです。はたから見たらアーティストになるのかもしれませんが、それよりも “届けたい”という感覚が大きくて。切ないときに前を向けるような曲を僕の言葉で“届けたい”。だからあくまで“崎山つばさ”の歌として聴いてほしいですね」

──11月に行われる発売記念ミニライブはどうなりそうですか?

「もしかしたら逃げ出すかもしれません(笑)。いや、それはないですけど! そんな心境です(笑)。ライブというよりも、発表会だと思って聴いていただけたら…。どんな感じなのかな〜みたいな感じで見られると緊張しちゃうので」

──と言いつつも、冒頭の通り“やるからにはやる!”のが崎山さんなんじゃないかなと。

「…そうですね、はい。やるからにはステキなステージにしたいなと思っています。負けず嫌いですから。“やれることをやる”くらいしか僕にはできないんですが。それはすごく…この業界に入ったときから思っていることなので、挑戦できることは挑戦したいなと思っています」

──2ndシングルも考えられているんですか?

「どうなんですかね? なりゆきに任せるというか、神のみぞ知るということで(笑)。今は目の前のことを精一杯やるだけですね。1stシングルをたくさんの方に聴いてもらうことだけを考えています」

【プロフィール】

さきやま・つばさ=1989年11月3日生まれ、千葉県出身。2014年より俳優活動をスタート。「ノラガミ」(2016年)『クジラの子らは砂上に歌う』など舞台を中心に活躍。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(2015年〜)、『「ROCK MUSICAL BLEACH」 〜もうひとつの地上〜』(2016年)等では類まれな歌声で魅了。2017年12月には真剣乱舞祭・日本武道館公演他、2018年1月「クジラの子らは砂上に歌う」東京・大阪公演の再演が控えている