管理職は"嫌われる勇気"を持つべきである

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■耐えられないなら、ヒラ社員に戻れ

人間は「自分で決めなければいけない人」と「誰かに相談できる人」の2種類に分かれます。管理職になるということは、相談できる人から、決めなければいけない人になったということです。

となれば、孤独に耐えなければなりません。耐えられないのなら、もう一度ヒラ社員に戻してもらいましょう。

──嫌われるのも仕方がないことですか?

人間には好き嫌いがあるので、多少部下に嫌われるのは仕方がありません。もちろん、パワハラなどで、部下に嫌われているのであれば論外ですが。

──自分としては、一生懸命に指導をしているつもりです。

指導の仕方が間違っている場合もあります。そこに不安があるのなら、尊敬している先輩や信頼できる友人に、「自分の指導方法に間違いがないかどうか、チェックしてください」と、頼んでみるといいと思います。

──ちなみに、出口さんは孤独感を感じることがありますか。

1週間に2〜3回は感じています。たとえば、僕が部屋で1人パソコンに向かって仕事をしていると、すぐに12時半くらいになってしまう。「誰かご飯いかへんか?」と誘っても、みんな「もう食べました」と言うので、「孤独やな〜」と思いながらいつも“ぼっち飯”です。

前の会社でも、「飯を食いに行こう」と部下を誘ったら、「僕らも忙しいので、お昼を一緒に食べたければ前もってアポを取ってください」と叱られました。

■最後はみんなおひとりさま

──そういう会話ができる関係っていいですね。厳しくても、誰からも好かれる上司もいます。

「みんなから好かれる」というのは、持って生まれた運や才能のようなものです。たいてい「2:6:2」の法則で、2割は自分を好いてくれる、6割は普通、2割は嫌いになる。

ただ、みんなから好かれた人が世の中を幸せにしないのは、塩野七生さんの『ギリシア人の物語II』を読めばわかります。アルキビアデスという誰からも好かれた若者が、結果的にアテネをめちゃくちゃにしたことが描かれています。反対に、スティーブ・ジョブズの伝記などを読むと、「こういう人と友達になったら大変だ」と思いますが、彼は偉大な経営者でしょう。

──管理職は、成果を出すことのほうが大事ということですか。

そうです。管理職の役割は2:6:2のグループを率いて、いい結果を出すことに尽きます。

──孤独を感じたら、どうやって気を紛らわせたらいいですか。

上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』でも読んで、気を静めてください。結局、「最後はみんなおひとりさま」になるのですから。

Answer:人間は「2:6:2」。2割の人に嫌われて普通です

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出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長 
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長、国際業務部長などを経て2013年より現職。
 

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(ライフネット生命保険創業者 出口 治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久)