天皇杯敗退に沈む川崎の選手たち。いつものような流れるパスワークは見られないままベスト8で姿を消すことになった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[天皇杯準々決勝]柏 1-0 川崎/10月25日/等々力
 
 リーグ戦、ルヴァンカップを含め三冠の可能性を残していた川崎が、天皇杯ベスト8で敗れた。柏と対戦した準々決勝では、中村憲剛、小林悠、谷口彰悟らを温存。ルーキーの知念慶を公式戦初スタメンに抜擢し、家長昭博、森本貴幸らと前線で組ませたが、立ち上がりからチームはパスミスを連発し、ゴールへ迫る機会は限られた。
 
 リズムを掴めない展開に鬼木達監督は後半頭から中村を投入。反撃を試みるも、61分、中村のパスミスからCKを奪われ、ショートコーナーを受けたクリスティアーノに強烈なミドルを決められた。
 
 その後、70分には小林もピッチに送ったが、歯車は最後まで狂ったまま。シュート3本(柏はシュート13本)とらしくないパフォーマンスで試合終了のホイッスルを聞いた。
 
 鬼木監督は敗戦の理由をこう分析する。
 
「攻撃に入った時にひとつ判断が遅れてしまった。もっと行けるんじゃないかというところで止めてしまったり、逆に一発で狙ってしまったり、そういう悪循環が多かったと思います。今日はなにがなんでも取ってやろうという気持ちが、もしかしたら足りなかったのかもしれません。次はそういうところを出したいです。
 
 一人ひとりはやろうとしていたと思います。しかし、全員が同じ方向でしっかり出せたかというと、一人ひとりのパワーが一人ひとりだけのものになってしまい、プラスアルファにならなかった。戦術的なところで言うと、(ボールを)取りにいくところなど、少し意思が合わなかったです。それが結果につながりました」
 
 キャプテンの小林は「前半は0で乗り切れたので、後半にチャンスが来るかと思ったが、なかなか上手くいなかった。先制点を取られてからはボールを回されてしまった」と悔しがる。
 
 また、中村は「イメージの共有が上手くいかなかったのと細かなミスがあった。自分たちがポジションを取れなかったり、走るべきところを走らなかったり、できなかったのはそういう細かいところだったと思います。いつもだったら(パスが)通るところでノッキングしたり、見えていなかったり、動いていなかったり、崩せない時は大体そういう時」と試合を振り返る。
 
 今年元日の天皇杯決勝で鹿島に敗れ、その悔しさを同じ舞台で晴らすという目標は絶たれてしまった。しかし、ポジティブな見方をすれば、これでリーグ戦と11月4日のルヴァンカップ決勝に集中できるということだ。悲願のタイトル獲得の可能性はまだ残っている。
 
「すぐ試合が来るので切り替えたい」
 選手たちは前を向いているだけに、ここからのリバウンドメンタリティに期待したい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)