(写真提供=SPORTS KOREA)

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韓国の男性グループ「SUPER JUNIOR」のメンバー、チェ・シウォンの飼い犬が人を噛み、死亡させる事件が日本でも大きく取り上げられている。

事件に関してはチェ・シウォンとその父親が謝罪し、被害者遺族も「許した」と立場を表明したという。

しかし、韓国では非難の声は収まらず、チェ・シウォンが出演中のドラマ『変革の愛』の視聴者掲示板には、「追悼という意味で自粛すべき」「シウォンを降板させるかドラマの放映を中止せよ」などの書き込みも増えている。

有名人の飼い犬のショッキングな事件だけに当然かもしれないが、現在は飼い犬の“安楽死”論争にまで発展している状態だ。

迷子の犬が村人に食べられる…

そもそも韓国における犬に対する考え方や扱い方は、日本とはいくつかの違いがあるといわざるを得ない。

というのも、昨年も迷子になった愛犬が村の住人に食べられるという、とんでも事件が起こっていたからだ。
(参考記事:「迷子になった愛犬が食べられた…」飼い主を横目に近隣住人が“犬食パーティー”の恐怖

こうした事件が起きる背景には、韓国に古くからある犬食文化も無関係ではないだろう。俗にいう「ポシンタン」という食用の犬を使った料理のことだ。

ただ現在ポシンタンを扱う専門レストランは減っており、平昌五輪を前に開催地周辺のポシンタン店では、看板を下ろす対策をとっているという。

ヨーロッパをはじめとする海外からの非難の声が大きく、イギリス政府の嘆願サイトで9万人が署名したこともあるほどらしい。

専門家は“安楽死”には慎重

そんななかで巻き起こっている犬の“安楽死”論争。

それは、一度でも人を噛み付いたことのある犬は、いずれ再び人を噛む可能性が高いという意見から過熱した。

「再発の危機があるから安楽死させるべき」という意見から、「飼い主の教育次第で変わる。飼い主に責任がある」といった声まで種々雑多だ。

韓国には人に傷害を与えた動物に対する差し押さえや安楽死などを規定する法律はない。

韓国メディアの取材に応じた専門家たちは、「このような悲劇が二度と起こらないように、予防可能な法整備が必要。飼い主の責任強化だけでなく、教育支援も必須だ」といった意見を述べており、安楽死への抵抗感があるようだ。

専門家が慎重な意見を述べているのは、ともすれば今まで以上に韓国で飼い犬の命が尊重されなくなってしまうからかもしれない。

空港の逃走犬対策に見る日韓の違い

というのも、例えば日本では10月上旬、羽田空港で乗客の飼い犬が滑走路付近まで逃げ出すという騒動があったが、以前、韓国でも同じようなことが起きている。

韓国でも仁川空港で同じく乗客の飼い犬が逃げ出す事件があったのだ。

羽田空港の犬は40分後に確保されたそうだが、仁川空港の滑走路に迷い込んでしまった犬は射殺されている。マニュアル通りの対応だったそうだ。

このように犬にまつわるショッキングな事件が多い一方で、愛犬家は非常に多いというのも韓国である。

珍島(チンド)犬は韓国原産の犬種のひとつとして人気があるし、月額4〜6万円もする“ワンちゃん幼稚園”が話題を集めているというニュースもあったほどだ。

そうしたなかで起こった今回の事件は、飼い主たちの責任を改めて考えさせるきっかけになっている。二度と不幸な事件が起こらないことを願うばかりだ。

(文=慎 武宏)