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アドビシステムズのIllustrator、Photoshopなどを扱うクリエイターに向けたIoT入力デバイス、「O2」(オービタル・ツー)が、クラウドファンディングを通じて10月25日から販売されている。従来ならキーボードのショートカットなどで行っていた操作を、左手の平に収まるコントローラで代用できるのが特長だ。デジタルハリウッド大学院発のベンチャー企業であるブレインマジック社が開発した。価格は27,800円(税込、以下同)から。

○自身の経験をヒントに開発

O2はブレインマジック代表取締役の神成大樹氏が、Illustratorで絵を描く過程で感じていた不満を解消すべく開発した。その経緯について、「Illustratorは右手でペンタブレットを使って絵を描き、左手でキーボードのショートカットキーを使っている。でも画面からキーボードに視線を移動すると集中力は乱れ、イメージの構築にもロスを生んでしまう。そうした『インタフェースの足かせ』から、クリエイターを開放したかった」(神成氏)と語る。

クラウドファンディングサービス「Makuake」を利用したプロジェクトとして、10月25日10時からテスト販売がスタート。最速お試しコースは27,800円で、動画制作向け講座付き、イラストレーター向け講座付き、フォトグラファー向け講座付きの3タイプを用意(各タイプとも先着50名)。また、フルパッケージセットが48,000円(先着25名)、2台セットが49,800円(先着20名)となっている。2018年には一般販売も予定している。

オービタルエンジンとフラットリングによって、これまでキーボードで入力していた32〜256種類(!)のショートカットキー入力・コマンドに対応する。フラットリングには8つのスイッチが割り当てられる仕様で、キーコマンド登録のほか、プログラムマクロにも対応。機能が多くて使いこなせない、というユーザーのために、推奨プロファイルも用意している。

○イラストレーターの観点から開発

同様の製品が市場になかった理由について聞かれると、神成氏は「O2の形状に答えがあると思う。効率を重視し、生産コストをおさえたいと考える大手メーカーでは、基板が平面なキーボード、マウスの生産に注力し、場合によってはソフトウェアで問題を解決しようとする。でも人の手は立体的なので、立体的な製品のほうが使いやすい。私はイラストレーターの観点から開発した。生産効率やコストは無視して、本当に使いやすくて手に優しい、機能が重視されているものを作った」と述べた。

操作に慣れるまでどのくらい時間がかかるのか、という質問には「人にもよるが15分〜1時間くらい」(神成氏)。作業効率について、どのくらい速くなるのか聞かれると「ショートカットキーで行っていたことをO2で代用すると、肌感では最大で4倍くらいの速さで作業が行える」と回答した。長時間の作業にも適しているとし、その理由について「左手を机の上に置いて作業ができるので、腕への負担を減らせる。腱鞘炎にもならない」とした。

現時点もは、Illustrator、Photoshop、After Effects、Fireworks、InDesign、Flash、Bridge、Premiere、Lightroomなど多数のクリエイティブソフトに対応しているが、今後も拡大していく。もともとイラストレーター、動画クリエイター、ビデオグラファーなどを対象ユーザーに想定していたが、意外なところからの引き合いも増えているようだ。神成氏は「医療現場の放射線技師や、音響の現場でも使いたいとお話があった。O2で3Dモデリングをしてみたい、ドローンの操作をしてみたいといったことも伺っている」と話していた。