貯蓄ゼロの人の割合は、2人以上の世帯で30.9%、単身世帯で48.1%という調査結果があります。この、「貯蓄ゼロ」って、どういう意味なのでしょう?

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貯蓄ゼロでも、全く貯蓄がないわけではない!?

ときどき、貯蓄ゼロ世帯が30%というニュースや記事を見たり、聞いたりしたことがあると思います。「エッ、そんなにいるの?」、「自分もそうだ」、「貯蓄ゼロで生活できるの?」など、感想は人それぞれでしょう。この、「貯蓄ゼロ」とは、どういう意味なのか解説しましょう。

そもそも、貯蓄ゼロ世帯のデータの出どころは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」です。2016年の調査によると、貯蓄がゼロ(金融商品を保有していない)と答えた人は、2人以上の世帯で30.9%(前年と同じ割合)、単身世帯で48.1%(前年は47.6%)でした。2人以上の世帯の3世帯に1世帯、単身世帯の半分は貯蓄がゼロという結果です。

この調査の金融商品の定義は「定期性預金・普通預金等の区分に拘らず、運用の為または将来に備えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している金融資産や土地・住宅・貴金属等の実物資産・現金・預貯金で日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分は除く」です。

つまり、一般家庭で言うと、貯蓄用口座と日常用口座を分けずに一緒にしている、現金を自宅内で保管している(いわゆる、タンス預金)、持っている資産は不動産という人たちは「金融資産を保有していない」と回答することになり、貯蓄ゼロ世帯に組み入れられてしまうことになります。ですから、貯蓄ゼロと言っても、本当にゼロではなく、日常用口座にいくらかは入っている人もいるということです。それに、日常用口座に数百万円を預けっぱなし、タンス預金で数百万円あるという人たちも貯蓄ゼロ世帯にカウントされています。

国民の約20%は貯蓄ゼロと言えそう

では、貯蓄ゼロの人はいないということなのでしょうか? 実は、そうでもなさそうなのです。政府が公表している「国民生活基礎調査」でも貯蓄について尋ねていて、2017年の調査において、「貯蓄はない」と答えている人は19.7%でした。この調査の貯蓄は、「貯蓄・借入金には家計用だけでなく個人営業のための分も含む」で、貯蓄用口座か日常用口座かは区別していません。

結論としては、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果ほど貯蓄ゼロの人はいないかもしれないけれど、「国民生活基礎調査」結果の約20%は貯蓄ゼロだと言えそうだということです。

貯蓄ゼロになる事情は人それぞれでしょうけれど、その状態を常態化させるのは避けたいもの。家計や生活、仕事を見直すなどで、1日も早く貯蓄ゼロ状態を脱出するようにしましょう。
(文:小川 千尋)