マイク一本と刻むビート、溢れ出る語彙力で対戦相手を煽り、多くの聴衆を魅了する──。現在、音楽業界を席巻する一大ムーヴメント。欧米のみならず、日本でも若者世代を中心に、“日本語ラップ”が再熱しています。

国境を超えて進化を遂げてきたヒップホップ。では、私たちはどれくらいヒップホップの発祥や歴史について理解しているのでしょうか?

この度、ヒップホップの歴史や伝説などをめぐる大規模な博物館が、ニューヨーク市ブロンクス地区に建設される予定だとか。

ヒップホップ文化の“メッカ”

現地時間9月22日、ニューヨーク市議会が発表したのは、ヒップホップ発祥の地ブロンクス地区の河岸埋立地に建設される複合施設にできる『Universal Hip Hop Museum』の草案。完成予定は2022年で、約300億円以上の投資される一大プロジェクトだとか。

博物館のミッションは至ってシンプル。それはヒップホップ文化を保存し、世界中のオーディエンスに教育の場をつくること。ミュージアムの会長でもあり、初の商業的に成功したラッパーとして有名なKurtis Blowは今回のミュージアム建設への意欲を語ります。

「ヒップホップ文化を存続するために最も重要なプロジェクトとなるだろう。この新しい文化施設が、NYCやブロンクス地区を訪れる人たちの新しい観光地にもなることも楽しみ。ヒップホップシーンの“メッカ”となり、私や他のレジェンドたちの伝説も常設されるのはとても光栄なこと」

Google社などのIT関連の企業とパートナーシップを組み、 VRを利用し、ヒップホップの歴史にタイムスリップできるような体験をするサービスも展示される予定。

世界を魅了する
ヒップホップ

ヒップホップの勢いが世界的に増しているのは周知の事実。人気絶頂のラッパー、ケンドリック・ラマーは、今年5月発売のアルバム『DAMN.』から5曲も人気ストリーミング曲トップ50に入るという快挙を達成。その人気を証明しています。

新しい音楽の分配としてストリーミング配信は今のブームに貢献しているという見方も。柔軟性が求められるヒップホップ文化にストリーミング配信の方法がマッチするということもあり、ヒップホップがメインストリームジャンルへと駆け上がったのかもしれません。

アジアもヒップホップブーム。日本のみならず、韓国、中国、インドネシアなどでも広がり、英語と母国語を巧みに使うパフォーマンスに魅了される若い世代が増加中。また、アジア人ラッパーたちの欧米への流入も顕著。アメリカで始まった音楽が、逆輸入として進化し、大きく受け入れられているのかもしれません。

ブームの背景にみるヒップホップの紀元や哲学。それをどこまで理解しているのか。ミュージアム建設により、それを体感できる場ができたのは、いちファンとしても嬉しい限りです。

Reference:HITS Daily Double,CNN,Quartz,88rising
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