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 木村拓哉(44)と中居正広(45)のジャニーズ事務所でのFC(ファンクラブ)設立が難航していることを24日発売の『週刊女性』(主婦と生活社)が報じている。

 事務所を退社した稲垣吾郎(43)、草磲剛(43)、香取慎吾(40)の3人は、退所後早々の9月22日に『新しい地図』を立ち上げ、『NAKAMA』なるファンクラブ(以下FC)を開設して会員は12万人を突破した。その一方で、ジャニーズと木村・中居は後手後手に回り、16年4月時点で102万人の会員数を誇ったSMAPのFCは昨年8月で閉会(ラストメッセージは12月)したままで、熱烈なファンたちは行き場を失っている。

「この”FCの有無”が、木村の映画活動に大きく影響してくる」と懸念するのはある映画配給会社のプロデューサーだ。今年GWに公開された『無限の住人』(三池崇史監督)が興行収入は100億円を目指しながら10億円前後に留まったのは、ファンクラブを中心とした動員力を欠いたことが大きいという。

「いま、新作邦画の何割かはジャニーズ主演。殆どは演技力もないし、顔やスタイルだって他に優秀な役者はいくらでもいる。それでもジャニーズタレントを使うのは、”動員力”を期待してるからに他ならない。映画はテレビと違って”お金を払って”楽しむもの。そうなると知名度ではなく、FCを使って”囲い込んだファン”が何人いるかの勝負になってくる。FC会員にとって、主演映画はコンサートと並ぶ”一大イベント”です。会報を通じて気分を盛り上げ、FC試写に応募して、さらに映画館に何度も行く。FC活動と映画観賞は地続きであり、ファンが『私が支えてる』と誇れる晴れ舞台なのです。『無限の住人』の初週観客動員がたった約14万人だったのは元FC会員の大半がそっぽを向いた証拠でしょう」

『無限の住人』の大コケはもちろんSMAP解散騒動による悪印象も大きかっただろう。だが、同氏によれば映画動員に「アンチの数」は関係ないとも。実際、木村が『週刊女性』の「嫌いなジャニーズ」で3連覇して話題になった15年の『HERO』も46億円とそれなりの興行収入を上げている。

「すでに木村の主演が決まった『マスカレードホテル』(東宝/19年公開予定)も動員母体を持たないままでは厳しい戦いが予想される。一部映画関係者からは『このまま木村に確実な動員数が読めなければ、彼に主演を依頼する意味がない』との声まで上がっているほど」(同プロデューサー)

 ジャニーズにとってFCを運営することは、コンサートや映画の「動員をまとめる」点において最大のプロモーションとなりうる武器だった。しかし、木村拓哉と中居正広に限ってはジャニーズの遅い対応が商品価値を落とすことになりかねない。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。