画像提供:マイナビニュース

写真拡大

●広告事業への依存度が高い

LINEは25日、2017年12月期第3四半期連結決算を公表した。第3四半期のみの営業収益は430億2,800万円で前年同期比19.2%増、営業利益は58億5,000万円で同18.8%と好調だった。LINEは広告事業がメインであり、もはやスタンプの会社だと思う人は少ないだろうが、広告事業への依存度合いは思った以上のものがありそうだ。

○全体を牽引したのは広告事業

第2四半期に続き第3四半期も広告事業が全体を牽引した。広告事業の売上収益は204億1,100万円で同18.4%増だった。とりわけLINEのタイムラインやLINE NEWS等に掲載されるパフォーマンス型広告の成長が著しく、ターゲティング精度の向上、単価の上昇により大幅増収となった。公式アカウント等のメッセンジャー型広告も伸びている。この広告事業の売上は全体の約48%を占めており、半数以上に達しようという勢いだ。

対して、コミュニション(スタンプ、着せ替え、LINE Out等)/コンテンツ(LINE GAME、LINE Play、LINEマンガ、LINE MUSIC等)の売上収益は計174億円。長らく横ばいの状況が続いている。細かな数値は公表されていないものの、LINE GAMEについては苦戦が続いていると見られ、他のコンテンツサービスの伸びを相殺したものと推測される。数年前までスタンプの会社と評されていたが、もはやそれは過去のものとなっているのだ。

その他事業(LINE FRIENDS、LINEモバイル等)も売上収益が47億2100万円で同38.2%増と伸びているが、広告事業ほどの勢いはないのが現状だ。

○特に運用型広告に注目

現時点でLINEを分析する上で重視されるのは、国内における運用型広告の存在だ。広告に触れておらうためのエンゲージメントの高い国内のユーザー、広告を表示するためのコンテンツも必要となる。

ユーザーのエンゲージメントの高低を示すDAU/MAU比率(デイリーアクティブユーザー数を月間アクティブユーザー数で割った指標)は74%(主要4カ国)であり、この数値は非常に高い。たとえば、フェイスブックの2017年第2四半期におけるDAU/MAU比率は66%だったがそれよりも大幅に高い数値だ。

そしてコンテンツ群の存在だ。LINE NEWSは広告を表示するためのツールとして位置づけられており、第4四半期にはLINE NEWSへの動画広告の導入を行う予定。ほかにも、LINEマンガ、LINE BLOGに広告掲載の展開を開始する予定で、インプレッション数の増加や広告枠の確保にこれらのコンテンツが重要な存在となっていきそうだ。

海外版LINE NEWSとなるLINE Todayの活用も進め海外(タイでの運用型広告を準備中)においてもさらなる広告収入の拡大を目指していく方針だ。

●中長期的には懸念も

○LINEに残された懸念

ひとつ懸念があるとすれば、月間アクティブユーザー数の動向だ。LINEは日本、台湾、タイ、インドネシアを主要4カ国と定めているが、前四半期にこの総数が初めて減少した。日本はわずかながらも伸びており、減少しているのは海外となる。海外では広告配信の本格化なども含めてこれからが書き入れ時になると見られ、2四半期連続で減少したこの数値は見過ごせないものがある。

しかしながら、決算説明コールでは、LINEの出澤剛社長は、依然として主要4カ国を重要視していることに変わりないとする。同氏のコメントでは、LINE LIVEのドイツでの展開が決定したこと、SNOWが日本以外の地域でMAUを伸ばしているということだった。

現時点では、運用型広告の有効活用により、LINEが業績を伸ばす余地はまだまだありそうだ。ただし、中長期的には、LINEアプリのユーザー基盤を何らかの形で増やすなど、別の取り組みも必要になると思われる。