進化する米国のコンビニ、「健康」目指す米社会にも貢献

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コンビニエンスストアで売っている食品に対して持つイメージが、「マヨネーズであえたマヨネーズ・サラダをプラスチック容器に入れたもの」などだったとすれば、あなたは現実を理解していない人かもしれない──。

米紙ニューヨークタイムズが5年前にすでに報じているとおり、セブンイレブンをはじめとする複数のコンビニエンスストアは、より健康的な食品の提供に力を入れてきている。そして、全米コンビニエンスストア協会(NACS)は先ごろ、健康問題に取り組む非政府組織(NGO)のPHA(パートナーシップ・フォー・ヘルシアー・アメリカ)と共同で、新たな取り組みを開始することを明らかにした。

コンビニエンスストアの重要性

コンビニが重要なのは、なぜだろうか?それは、私たちには「身近にあるものを食べる」傾向があるからだ。つまり、私たちは「食べるものがある場所によって」つくられている。農場に住んでいたり、自宅のリビングで自家栽培をしたりしているのでもない限り、最も近い「食料源」がコンビニである可能性は高い。

実際のところ、都市部の低所得層が多く占める地区は「食品砂漠」と呼ばれ、コンビニ以外に食品を購入できる店がないという場合が多い。さらに、NACSによれば米国人の93%は、コンビニから徒歩10分以内の場所に住んでいる。

米国内には現在、合計およそ15万4535店舗のコンビニがあり、1日の来店客数は約1億6000万人に上る。人口の半数近くに当たる人たちが、毎日コンビニを利用しているということだ。

私たちはまた、「目にしてから口に入るまでの時間が短い」食べ物を選ぶ傾向があると考えられている。自家製のローストターキーを売る店が、野球場やオフィス街などではそれほどの人気店にならないのは、そのためかもしれない。

一方、NACSの調査によれば、コンビニで食べ物を買うのにかかる時間は、平均わずか3分33秒だ。車から降りて店内に入るまでに35秒、商品を選ぶのに71秒、レジで並ぶのに42秒、支払いに21秒、店を出て車に戻るまでに44秒、という計算だ。こうしたことからも、コンビニは多くの米国人、中でも低所得層の多い地域の住民たちにとって、食品を購入できる店としての重要な位置付けにある。

コンビニに与えられた「機会」

NACSによると、米国のコンビニ業界の2016年の売上高は、5499億ドル(約62兆6500億円)に上った。この業界を一つの「国」、この金額をその国内総生産(GDP)とみなせば、世界ランキングで21位に入ることになる。PHAと同組織の名誉会長であるミシェル・オバマ前大統領夫人が、コンビニでより健康的な食べ物を提供するための新たな方法を見つけるために、NACSと協力していこうと決めたのは、そのためだ。

コンビニは多くの米国人の食生活を改善する上で、重要な役割を果たすことができるだろう。肥満がまん延する米社会において、食生活の見直しは急を要する問題だ。PHAのナンシー・ローマンCEOは、「2350万人以上が健康的な食品を手頃な価格で購入できない、あるいは購入が難しい環境にある中で、私たちには米国にとって最大の問題の一つに対応する大きな機会が与えられている」と述べている──こうした新たな世代のコンビニは、一世代前のコンビニとは違うのだ。