すっかり秋も深くなってきたこの頃。肌寒くなってきた時期に、日本のプロ野球のシーズンがいよいよ終盤にさしかかってきました。
そんなクライマックスシリーズが終わり、日本シリーズが開幕しようとする頃、プロ野球界の一大イベント「ドラフト会議」が行われます。未来の日本球界を背負う逸材たちの人生がかかった大イベントです。実は、同じプロスポーツでもドラフトを行わないJリーグのような例もあります。なぜ、日本のプロ野球ではドラフト会議が行われるようになったのでしょうか?

ドラフトは、プロをめざす若者の運命のイベント!


どうしてドラフト制度は採用された?

プロスポーツの世界で初めてドラフト制度を取り入れたのは、1936年アメリカのNFL(アメリカンフットボール)でしたが、リーグの発展とともに、各チームが優秀な選手を獲得しようとする必死の試みだったのです。そして、お金を持っている球団が優れた選手を獲得する「マネーゲーム」にならないよう、新人選手獲得の交渉権を平等に分配する方法でタートしたものの、次第に選手獲得のための費用はかさんでいくことになります。
日本では1965年にプロ野球がドラフトを取り入れました。導入前は、資金力のある一部チームからは反対の声も出たといいます。しかし、プロ野球の発展のためには、必要だという議論になり導入に至りました。細かな制度の変更はあるものの、プロ野球においてのドラフトはいまや当たり前の制度になっています。

ドラフトの始まりはアメフトから


野球にあって、サッカーにないのはなぜ?

日本のプロスポーツで、野球と並んで人気を誇るのがサッカー、つまりJリーグですね。Jリーグの場合、ドラフトがありません。クラブ側と選手が話し合い、条件面で合意すればそこで契約となるわけです。なぜ、このように野球とサッカーでは選手獲得のプロセスが違うのでしょうか?
その理由のひとつには、野球はアメリカ中心、サッカーは欧州中心に制度が成り立っていることがあげられます。欧州の考え方では、選手にチーム選択の権利が与えられないのは不公平だということで、ドラフトは禁止されています。
さらに注目すべきは、リーグの構造です。
日本のプロ野球は12チーム、Jリーグは54チーム+U-23チームという数で構成されています。JリーグはJ1からJ3と3部に分かれており、昇格・降格が発生します。J1とJ2では待遇の差があるため、どのチームも勝つためにレベルアップし、リーグは活性化されます。プロ野球の場合は一定のチーム同士が毎年戦うため、ドラフトによって戦力を強制的に分散させないと、強いチームが一極集中になる恐れがあるからなのです。


ドラフトで戦力は均衡化される?

では、ドラフトがあればリーグの戦力は均衡化されるでしょうか……。しかし残念ながら、必ずしもそうとはいえないようです。
アメリカのドラフトは「ウェーバー方式」が主流です。このウェーバー方式とは、直前シーズンの下位チームから順に選手を指名していくというもの。くじ引きなどはなく、問答無用で指名順に交渉権を獲得できます。これは下位のチームから順に力のある選手を獲れるということですから、数年後には、リーグ内でのチーム順位が逆転しているということがアメリカでは多々あります。
一方、日本のドラフトで印象的なシーンといえば「くじ引き」ですよね。2008年以降、1巡目は入札抽選制度のため重複した場合はくじ引き。2巡目以降は偶数巡目でウェーバー方式、奇数巡目で逆ウェーバー方式(上位チームから順に指名)という制度になっています。前年度の順位は気にせず、なるべく平等に……という配慮があるのかもしれませんね。
―― ドラフト会議はアマチュア選手にとって大きなターニングポイントとなる大事なもの。今年はどんなストーリーが待っているのでしょうか。どんな形であれ、プロ野球に羽ばたいていく選手たちにエールを送りたいですね。

競合のくじ引きが外れたときはショック……