Behavior: Mammals(哺乳類部門)の優秀作品。スリランカ北東の海辺に現れた何頭ものマッコウクジラ。
Image: Tony Wu

自然の美しさだけでなく、厳しさもとらえたベストショットの数々。

ロンドン自然史博物館が毎年行なっている自然野生動物フォトコンテストの2017年度入賞作が発表されました。今年の優秀作品に選ばれたのは、妖しく発光するシロアリ塚やジャングルでくつろぐゴリラ、そして密猟の犠牲となったクロサイの胸が張り裂けそうなショットなど…。噓偽りない野生動物の日常を収めた秀作ばかりです。

今年は92か国から5万枚以上のエントリーがあったなか、作品の創造性、オリジナリティ、技術的に卓越している点を評価して、審査員たちが最優秀作品を選びました。毎年恒例のコンテストの一環として、英国サウス・ケンジントンにある同博物館では第53回今年の自然野生動物フォトコンテスト展を開催。100枚の作品が展示されます。

では各部門の入賞作品を見てみましょう。

Wildlife Photographer of the Year 2017(最優秀賞):
『Memorial to a Species』by Brent Stirton(南アフリカ)

Image: Brent Stirton

かつてクロサイはサイの中でも数が多い種でしたが、今や角の密猟と違法な国際取引のせいで絶滅の危機に瀕しています。最優秀賞を受賞した本作では角を取られ息を引き取ったクロサイが、密猟の残忍さと無分別さを表しています。

同コンペティションの審査員であるRox Kidman Coxさんはプレスリリースで「まるで彫刻のような力強さでもって、あまりにも悲惨な場面を壮大なものに昇華させた手腕は、最優秀賞にふさわしい。生々しさもあるが迫力もあるからこそ、倒れた巨獣には威厳もある」と述べています。「もっとも破壊的で残忍かつ不必要な環境犯罪を象徴するものでもあり、世間からの最大限の非難をあおる必要がある」とのこと。

Winner, Young Wildlife Photographer of the Year 2017(新人賞):
『The Good Life』 by Daniël Nelson(オランダ)

Image: Daniël Nelson

ニシローランドゴリラが写るこのポートレートは、Daniël Nelsonさんがコンゴ共和国で撮影したもの。ジャングルで横になりながらアフリカパンノキの実をムシャムシャと食べている類人猿の姿を納めています。この場面は穏やかに見えますが、生息区域での鉱業のために彼らは絶滅寸前の危機にさらされています。

Winner of the “Animals in Their Environment” Category(動物をとりまく環境部門):
『The Night Raider』 by Marcio Cabral(ブラジル)

Image: Marcio Cabral

Marcio Cabralがブラジルのセハード地区で撮影したこの作品では、いろんなことが起きています。シロアリ塚の外層を取り囲むコメツキムシの幼虫たちは、彼らの餌食となる飛んでるシロアリをおびき寄せるため緑色に生物発光しています。いっぽう巨大なアリクイも、内部のシロアリに触れようと口先と鼻を塚にくっつけて彼らを狙っているのです。

Winner of the “11-14 Years Old” Category(11歳〜14歳部門):
『Stuck In』 by Ashleigh Scully(米国)

Image: Ashleigh Scully

この写真はまだ若きティーンエイジャーであるAshleigh Scullyさんがイエローストーン国立公園にいるアメリカアカギツネを撮影したもの。彼女いわく「イエローストーンでの冬の暮らしの厳しい現実を示している」とのこと。

Winner of the “Behavior: Invertebrates” Category(無脊椎動物部門):
『Crab Surprise』 by Justin Gilligan(オーストラリア)

Image: Justin Gilligan

よーく見てみると、大きなタカアシガニたちの大集団の中にニュージーランドテナガダコが入り混じっています。写真家Justin Gilliganさんは、タスマニア大学のケルプ(昆布)の移植実験を記録中にこの写真を撮りました。

Winner of the “Earth’s Environment” Category(地球の自然部門):
『The Ice Monster』 by Laurent Ballesta(フランス)

Image: Laurent Ballesta

まるで異世界のようなこの光景は、南極東部のデュモン・デュルビル科学基地の近くに浮かぶ小さな氷山の水中に沈んでいる部分です。写真家Laurent Ballestaさんがこの光景をとらえるのに3日間を要しました。

Winner of the “Wildlife Photojournalist: Single Image” Category(シングルイメージ部門):
『Palm-Oil Survivors』 by Aaron “Bertie” Gekoski(米国/イギリス)

Image: Aaron “Bertie” Gekoski

Aaron “Bertie” Gekoskiさんが撮影したこの作品では、3世代にわたるゾウたちが再植の準備がされたボルネオのギニアアブラヤシ農園にある段々畑を歩いています。

Winner of the “Black and White” Category(モノクロ部門):
『Polar Pas de Deux』 by Elio Elvinger(ルクセンブルク)

Image: Elio Elvinger

Elio Elvingerさんの船に母ホッキョクグマと2歳のコグマが近づいたとき、彼女はシャッターチャンスを逃しませんでした。2頭のクマは、北極のノルウェー領のスバルバル諸島に停泊していた船の台所からの漏れに引き付けられたのです。「真っ白な大地に対して、私たちがかけてしまった負担を恥ずかしく思いました」そして「これがクマたちの行動に与えた影響にも」と彼女は語っています。

Winner of the “Behavior: Amphibians and Reptiles” Category(両生類/爬虫類部門):
『The Ancient Ritual』 by Brian Skerry(米国)

Image: Brian Skerry

産卵後のメスのオサガメが、そっと海に向かっている。このとても美しい写真は、Brian Skerryさんが米国のヴァージン諸島に撮影したもの。

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美しさや壮大さを備えながら強いメッセージを放つ作品が揃った今年のフォトコンテスト。自然史博物館のサイトでほかの作品もぜひご覧ください。

Image: Natural History Museum
Source: Natural History Museum

George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(たもり)