ニューヨーク市内で発表された「アダム・セルマン」コレクションショーに出席した写真家のテリー・リチャードソン(2017年2月8日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】大手出版社「コンデナスト・インターナショナル(Conde Nast International)」は24日、長年モデルたちに対して性的虐待を行ったとして糾弾されている米国の写真家、テリー・リチャードソン(Terry Richardson)の作品を今後掲載しないと正式に発表した。

 米大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)が長年にわたり女優らにセクハラや性的暴行を繰り返していたとされる問題が明るみに出て以降、権力を持つ男性による不適切な行為は容認できないものだと、モデルをはじめとする女性たちが声を上げている。

「ヴォーグ(Vogue)」「ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)」「グラマー(Glamour)」などを発行している英国を拠点とする「コンデナスト・インターナショナル」は23日、今後はリチャードソンとは仕事をしないとするメールを報道陣に宛て送信した。

 スタッフには、既にリチャードソンに発注した企画で未掲載のものは「取りやめ、もしくは代替」するように指示が出ていると、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は報じている。

「コンデナスト・インターナショナル」はメールの内容を認め、その他のコメントはないとし、「コンデナストUS(Conde Nast US)」は、リチャードソンとは今後「なにも予定していない」とした。

 コンデナストUSは「どのようなセクシュアルハラスメントも容認されるものではなく許されるものではない」とメールを通してAFPに告げた。

 米国ニューヨーク(New York)出身のフォトグラファーは、ファッション業界において露骨な性描写や物議を醸し出すモデルの写真で知られる。彼の作品は高級雑誌に掲載され、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)」「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などといった有名ラグジュアリーブランドの広告キャンペーンも手掛けている。

 就任前のバラク・オバマ(Barack Obama)前米国大統領の写真や、2013年に発表された歌手、マイリー・サイラス(Miley Cyrus)の「レッキング・ボール(Wrecking Ball)」のミュージックビデオを撮影。サイラスは同ミュージックビデオに裸で出演しており、後悔していると後に話している。

 リチャードソンは、モデルに対して不適切な行動をとったと長年疑惑を持たれていたが、彼はワインスタイン同様、どれも合意の上での関係だったと主張している。

 2014年にはハフィントン・ポスト(Huffington Post)に対し、彼が「感情的な魔女狩り」と呼ぶ行動を「訂正」しろと要求した。「作品の性質を理解し、快く同意している成人女性とコラボレーションした」とリチャードソンはつづった。「誰かに対し、仕事や非難することを盾になにかを強制したことはない」

 リチャードソンの代理人は24日、彼は「落胆している」と話した。また、「彼の、被写体との仕事上の交流の多くは性的で露骨な要素はあったが、一緒に仕事をした人たちは皆、同意の上で参加していた」としている。

 今回の「コンデナスト・インターナショナル」の措置は、「ファッション業界のハーヴェイ・ワインスタインとして名をはせている」リチャードソンはなぜ「いまだファッショニスタたちによって尊敬されているのか」と英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じた翌日に決定された。

 米国人モデル、キャメロン・ラッセル(Cameron Russell)は先週、インスタグラム(Instagram)で、#MyJobShouldNotIncludeAbuse(私の仕事に性的虐待は含まれるべきでない)キャンペーンを行い、70以上の嫌がらせやわいせつな行為、ハラスメントに関する体験談が速やかに集まった。
【翻訳編集】AFPBB News