【ライターコラムfrom鳥栖】ベテランらしく役割を果たした水野晃樹…明るいキャラクターでチームを盛り上げる

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 アウェイで迎えた明治安田生命J1リーグ第30節・ヴィッセル神戸戦。後半22分から途中出場したMF水野晃樹はゴールにこそ絡むプレーはなかったが、アグレッシブに動き回って攻守に貢献しアウェイでの今季2勝目に貢献した。

 この試合、神戸に先制を許したが、FWビクトル・イバルボがPKを決めて追いつくと、その後も攻め続けてCKからキム・ミンヒョクがゴールして前半のうちに逆転に成功。しかし、後半に入ると鳥栖は神戸に押し込まれる展開が続いた。そこで投入されたのが水野だった。

「勝ち試合に途中から入るのは珍しいから。とりあえず、逃げ切りプラス、あわよくば点を取れたらいいなと思ってプレーしていた。結構(プレッシングに)走っていたでしょ、ファイターみたいに。久しぶりの出場だから、ここは戦わなきゃどうする!って思っていた」

 普段は「俺は、守備ができないからね」などと冗談めかして話すことが多い。しかし、8試合ぶりの出場となったこの日の彼は、まさにファイターのように相手のボールホルダーに対してガツガツとボールを奪いに行った。チームメートのDF青木剛から聞いて知ったそうだが、23分の出場時間で12回もスプリントしている。これはフル出場したMF高橋義希と同じ数字だ。

「失点直後からアップを始める指示があり、十分に温まっていたから出場してすぐに動けた。2分に1回スプリントしている。俺、あまり走らないから珍しい」

 そう笑いながら、その理由を次のように続けた。

「ボールを奪ったら縦に走るか、自分で前に運んでマイボールの時間を作ろうというイメージがあった。最低限の仕事はできたかな?」

 ベテランらしい判断でチームを勝利に導くという役割をしっかりと果たしたが、それは日頃の準備があったからこそ。練習中のランニングでは常に先頭を走るなど出場機会がなくとも、決して練習から手を抜くことはない。さらに明るく元気なキャラクターで周囲の選手に声を掛けて、チームの雰囲気を盛り上げようとしている。

「それがね、俺の役割だから。そりゃ、明るく振る舞うのが辛い時もあるけど、そうやって盛り上げないとね」

 鳥栖が一丸となって戦えているのは、試合に出続けている選手だけでなく、水野のように久しぶりの出場でもその役割をまっとうできる選手が揃っているからだろう。

文=荒木英喜