「22歳で店を継いで20年あまり。ありとあらゆる洗剤や薬剤の研究を独自に重ねてきました。クリーニング店の意地として、『このシミは取れませんでした。ごめんなさい』はゼロにしたかったのです。“シミ抜きのプロ”とクチコミが広がると、主婦の方から『クリーニングに出すほどでもないけど、落としたいシミがある』という相談も多く受けるようになりました。でも私が扱うのは一般で買えない薬品ばかり。そこで、家庭にあるものに置き換えて作ったのが、万能染み抜き剤“魔法水”なんです!」
 
こう語るのは、祖父の代から続く創業70年の老舗クリーニング店「クリーンショップ ヨコクラ」を経営する横倉靖幸さん。横倉さんのもとには、世界中から年間5,000着以上の「シミ抜き」の依頼が殺到する。そんな“シミ抜きのプロ”が、研究してきた化学理論を応用し、たった3つの材料だけで、魔法のようにシミが消せる「魔法水」を開発した。
 
「色素を壊す働きをする『液体の酸素系漂白剤』と、漂白効果を高める『重曹』、浮き出たシミの再付着を防ぐ『食器用中性洗剤』を混ぜ合わせると、すごい相乗効果を発揮します。そして、もっとも効率よく働くように、何度も研究して導き出したのが、『液体の酸素系漂白剤』小さじ3、『重曹』小さじ1、『食器用中性洗剤』3滴の“黄金比”。この比率で、シミの大きさに合わせて、分量を増やしてください。ただし、混ぜすぎると化学反応を起こして効果がなくなるので、かき混ぜるのは軽く5回ほどにしてください」(横倉さん・以下同)
 
市販のシミ抜き剤で落ちなかったシミも、“作りたて”の魔法水なら落とせるという。
 
「市販品は“作り置き”ですので、効果も抑えぎみ。“作りたて”の魔法水は、化学反応を起こしている真っ最中なので、シミを分解する効果も抜群です。ただし、一定の時間がたつと効果が薄れる。だから、魔法水は作り置きはできません。必ず作りたてから3時間以内の、化学反応が活発なうちに使ってください」
 
ただし、魔法水を使った後は、必ず“水”ですすぎ、洗濯機で丸洗いすること。魔法水が服に残っていると、少しずつ生地の色を溶かしてしまう恐れがあるからだ。魔法水のつけ置きも、化学反応が強く働きすぎるのでNGだそう。そんな「魔法水」を使った“簡単シミ抜き術”を横倉さんが伝授してくれた。
 
【1】魔法水は「液体の酸素系漂白剤」「重曹」「食器用中性洗剤」を“黄金比”で混ぜるだけ。
 
【2】ボウルに、今回は大きなシミの場合の例として、「液体の酸素系漂白剤」大さじ3と「重曹」大さじ1、「食器用中性洗剤」を9滴。歯ブラシの毛先で、5回ほど軽く混ぜて、魔法水完成!
 
【3】魔法水が使えるのは、洗濯機洗いや手洗いができるものだけなので、事前に洗濯表示をチェック。今回は3日前、シャツの胸元にたらしてしまったしょうゆのシミで実験! 下にシミ汚れを移すためのタオルを敷く。
 
【4】歯ブラシに魔法水をつけ、シミの上からトントンとたたき込み、浸透させる。魔法水を使い切る気持ちで、タオルをずらしながら繰り返す。
 
【5】下のタオルにシミ汚れが移らなくなればOK!
 
【6】シミ抜きした部分を水でよくすすぎ、洗濯機で丸洗いする。跡形もなく落ちた!
 
衣替えで取り出した服に汗ジミを発見して大ショック! そんな時間がたったシミでも魔法水なら落とせるという。ただ、古くて硬くなっているシミは、1回で完全に落ちないことも。魔法水をたたき込んでから洗濯するという作業を根気よく繰り返せば、少しずつ色が薄くなり、4〜5日目できれいになることも多いそうだ。
 
シミが取れない、でも捨てられない……とクローゼットに眠らせていた、あの“お気に入り”で魔法水、さっそく試してみませんか?