中国発の大胆な仮説、信じられる?

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 中国内陸部の寧夏回族自治区で発見された3億6000年前とみられるナメクジウオの化石に関する研究論文で、「人間の祖先はこのナメクジウオである可能性は5分5分」との大胆な推測が話題を呼んでいる。これまでも、「人間の祖先はサルか魚か」という論争はあったが、中国の新たな研究発表で、学会で再び論争が過熱する可能性が出てきた。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 これは中国では最高の研究機関である中国科学院古脊髄動物・古人類研究所の朱敏所長ら研究陣が10月初旬発行の学術誌「自然と進化」最新号に掲載した研究論文で詳述しているもの。

 化石は同自治区で2002年に発見されており、朱所長ら研究チームは15年かけて、化石からDNAを復元するなど入念なデータ解析を行ってきた。

 その結果、この魚の頭の部分は独立しており、その下部に肩とみられる部分がつながっているほか、前のひれと背びれが2つずつ備わっており、それが長い年月をかけて手足になった可能性があるという。

 さらに、背中部分に「脊窄(せきさく)」という太い筋があり、これが進化して人間の背骨になったと考えられていると結論付けている。

 すでに、日本、アメリカ、イギリスなど5カ国の共同研究チームが2008年、ナメクジウオが「脊椎動物の祖先」であり「人間とナメクジウオの遺伝子は60%も一致している」などと発表しているが、今回の中国科学院の研究は「ナメクジウオが人間の祖先ということは50-50(フィフティ・フィフティ)だ」と朱所長は同紙に語っている。

 これまでの研究では、「人間の祖先=魚」を裏付ける証拠として、人間の胎児は母親の胎内では羊水という水の中で過ごしており、生まれてくるまでに魚類から爬虫類、さらに哺乳類へと、それぞれの特徴を経て、動物の進化の歴史をたどりつつ誕生し、肺呼吸になるという。

 朱所長は「30億年以上も前に、地球の環境が劇的に変化し、海が干上がって、湖になり、餌を求めて、魚も移動のためにひれが変形して、陸を移動する形態に変わって、近くの湖に移動。さらに木に上って餌をとるようになり、形態を変化させて、類人猿から人間へと進化の道をたどったと考えられる」などと話している。