【ライターコラムfrom岡山】「もっともっとできることがある」…地域に愛されるクラブへ、岡山の挑戦は続く

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 22日に行われた明治安田生命J2リーグ第38節・ザスパクサツ群馬戦。ファジアーノ岡山は後半に石毛秀樹と赤嶺真吾が得点を奪い逆転勝ちを収め、21日から雨が降り続けた悪天候の中でも集まった9,436人の観客と共に8試合ぶりの勝利の喜びを分かち合った。

 しかし、この日の入場者数をもって『Challenge 1』の一環である1試合平均入場数を目指すプロジェクトの2年連続達成は断念することとなり、試合後に木村正明社長は「今日の試合をもって平均入場者数1万人の望みは潰えました。プレーオフ出場に関してもまだ可能性は残っているものの厳しい状況ですが、残り試合に全力を尽くしていきたいと思います。ホームでの残り2試合も全力を振り絞って共に戦わせていただきたいと思いますので、何卒ご来場の方をよろしくお願いします」とコメントした。

 昨季は初めてのJ1昇格プレーオフ出場に向けて街全体に機運が高まり、最終節に15,204人が詰め掛けて『Challenge 1』の達成とプレーオフ出場を成し遂げた。〜あの景色を越える〜を合言葉に第38節・群馬戦は入場者にオリジナルユニフォームシャツをプレゼントする企画をたてて集客に努めたが、シーズン終盤にチームが失速してプレーオフ出場は厳しい状況となったことも相まって入場者数は伸び悩み、木村社長は裾野の広がりの重要性を語った。

「1万人に届かず、何が足りなかったかはこれから分析してくんですが、おそらく今年も1試合平均9千6〜7百人はいく。1万人の自力は付いてきていると思いますが、土日に地上波でテレビ放送をしていただいたときの視聴率が5%にいっているケースがまだなく、全県的な広がりというのはまだまだ力不足だなと痛感しました。街全体の関心がまだまだ足りていないので、選手も街に出ないといけないと思いますし、当然いい試合をしないといけません。もっともっとできることがあると思うので、様々なご意見をいただきながら実践していきたいと思います」

 岡山は今年、岡山市内の小学校への訪問に初めて取り組んだ。午前中にトレーニングを終えた選手たちが小学校に出向き、鬼ごっこやドッチボールをしたり児童たちの質問に答えて直に振れ合う機会を設けた今回の取り組みは、裾野を広げていくため来年以降も継続し、将来的には全県の小学校を発展させていく方針だ。

 J1昇格と1試合平均入場者数1万人を目指す『Challenge 1』プロジェクト。すべてが右肩上がりでは進まないが、岡山は地道な活動を通して歴史を積み重ねている。隣県のプロ野球球団・広島東洋カープをよく例に挙げる木村社長は、こう語った。「カープは26年経って初優勝しましたが、当時に一度でも広島市民球場に行ったことがある人は広島市民の90%以上だということを聞いたことがあります。我々も岡山市民県民の皆さんにスタジアムに一度は来ていただけるようにしていきたいという想いがあります」

文=寺田弘幸