台湾で、中国国旗の掲揚の禁止を求める動きが起こっている。インターネットを利用した政策提案の公的プラットフォームに寄せられた意見を受け、政府が検討を始めた。12月22日までに回答する。

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台湾で、中国国旗の「五星紅旗」の掲揚の禁止を求める動きが起こっている。インターネットを利用した政策提案の公的プラットフォームで22日には賛同者が規定数を超えたため、政府が検討を始めた。12月22日までに回答する。

台湾政府は2015年、「公共政策インターネット参与プラットフォーム」の運用を開始した。政策について一般人からの提案を受け付け、政府側は妥当性を審査した上で政策として検討することについての賛同者を募る。60日内に5000人以上の賛同者が集まれば、政府側はさらに2カ月以内に検討の結果を回答する。

台湾では、中国との統一を強硬に主張するグループが、10月1日の中国・国慶節(建国記念日)などに中国国旗である五星紅旗を公園などで大量に掲揚したり、五星紅旗をかざしてデモ行進したりを繰り返している。

一方で、台湾では自らを中国人とは考えない人の方が多い状況が続いている。政治大学が1997年から毎年行っている世論調査では、2008年からは自らを中国人とは認識しない人が多い状態が続いている。17年6月の調査では自らを「台湾人」と認識する人は「56.0%」で、「台湾人でもあり中国人でもある」とした人は36.6%だった。台湾人との認識は示さず「中国人」と回答した人は3.6%だった。

また、中国との統一を目指す最大の政治勢力である国民党も中華民国としての主体性を主張しており、中国側が主張する「中華人民共和国としての統一」に同意しているわけではない。したがって、一部グループによる五星紅旗を大量に誇示する活動は台湾の一般的世論とは乖離(かいり)しており、反感を招いている。

台湾政府の政策提案プラットフォームに五星紅旗の掲揚・展示・陳列の禁止を求める提案が寄せられたのは9月27日だった。関係機関は10月2日に「提案は妥当」と判断し、政策としての採用検討についての賛同の受け付けが始まった。10月22日には賛同する人が5000人に達したので、政府側は12月22日までに判断を示すことになった。なお、10月23日の時点で賛同者は7032人に達している。

ただし、五星紅旗の掲揚などの禁止を求めた提案は、理由として「台湾と中国大陸は一貫して敵対関係」「中国大陸は一貫して台湾が一個の主権独立国家と認めていない」と主張するなど、中国大陸側に対する激しい敵意を示している。そのため、台湾政府がそのまま採用すれば中国側を強く刺激しかねない。

一方で、五旗紅旗の掲揚などを現状のまま容認したのでは、政府に対する批判が発生する可能性もある。台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は難しい選択を迫られることになったとも言える。

政策提案プラットフォームで賛同受け付けが始まる提案は1日に10件を大きく上回る場合も珍しくないが、結果としては賛同がほとんど集まらない提案も多い。一方で、最近になり賛同が多く集まった提案としては「台湾時間をグリニッジ標準時+9時間にせよ」がある。10月16日に寄せられ、翌17日には賛同の受け付けが開始。19日には賛同者が5000人を超え、23日には8641人に達した。

同意見は、台湾時間を中国が採用する「グリニッジ標準時+8時間」から離脱させ、日本や韓国と同じ「+9時間にせよ」との主張だ。(翻訳・編集/如月隼人)